問題の前で、常に前向きであること

ちょっと前、医師で病院経営者の 「北原茂実先生と対談したよ!」 と書きました が、医療制度に関して以外でも学びが多かったので、忘れないうちにまとめておきます。

まずはコレ↓
「焦る必要はない。一足飛びに成功できたりはしないのだから」


北原先生はカンボジアの医療制度をゼロから設計し、その国作りを医療面から支えるという意欲的な目標を掲げてらっしゃるのだけど、やってみると予想以上に時間がかかることも多く、必ずしも当初のもくろみ通りには進まないんだよね。

そのあたりのことについては、下記の本でも触れられてるんだけど、


そういう状況を見ると、周囲の人はすぐに、
「ほらみろ。大言壮語して。そんなことが簡単にできるわけがない」
とか、

「案の定、失敗してる」
とか、言いがちなんです。


ところが、私が対談の時に「やっぱりカンボジアの件では、難しいことが多かったんですか?」って聞いたら、

「これに限らず、簡単にできることなんてひとつもありません。ある程度のことをやろうとしたら、いろんなことが起こります。大事なことは歩みを止めないこと。少しずつでも前に進んでいけばいいんです」って言われて、ハッとしました。

「問題が起こった時のこの前向きさが、何かを成し遂げる人の特徴だよね」と。


何かを成し遂げる人って、ちょっとくらい巧くいかなくても、「もうダメだ!」とか思ったりしないんです。

「巧くいかなくて当たり前。だって何の問題も起こらないような簡単なコトなら、既に実現できてるでしょ。だったらワザワザ自分がやらなくてもいいわけで」って思ってる。

だからあれこれ失敗しても、当初の目論見通りに進まなくても、「一歩一歩前に進むだけ」っていう堅実で前向きな姿勢が揺るがない。

ひとつひとつの失敗や障害に、イチイチ落ち込んでると、とてもゴールになんて辿り着けないもん。


★★★


もうひとつ。北原先生って「医療従事者の海外からの輸入は反対」とか「消費税をただ上げればいいわけじゃない」とか、あまり反発を受けなさそうな意見もお持ちなのに、

「国民医療保険が諸悪の源!」とか、「病院はビジネスです!」とか、反発を受けそうなことばかり大声で主張される。

なんで、そんな反発を受けそうなことばっかり、敢えて強く主張するのかな? と思って聞いてみたら、


「そうしないと思考が止まるでしょ」って。


これも、言われてみて「ああそうだ」って思いました。聞いた相手が「なんじゃそりゃー!?」とか、「キィーッ!」ってなりそうなことを言わないと、議論が始まらない。みんな思考停止してしまう。だから意図的に極論を押し出す。


よく考えたらソレ、あたしもブログでやってる手法なのにね。


全く議論を呼ばない、誰も反対しない、「そうですね」とだけ言われるような意見しか言わない人って、毒にもならないけど薬にもならない。

周囲のみんなの思考に刺激を与えるって大事なことなんだと、改めて理解しました。


★★★


最後に言われていた、「ビジネスの条件はふたつある。ひとつが儲けること。もうひとつが社会のためになること」というコメント。

これもシンプルだけど、とても深い。


「儲けること」がなぜ重要か。それは、儲からないと投資ができないからです。カツカツで運営してると、病院も学校も会社も家庭も国も、将来に向けての投資ができない。

それでは必ず“じり貧”に陥ります。


世の中には、「病院とか学校とか NPO が、儲ける必要はない」と考えてる人がいます。でもそれは違うんです。儲けないと投資できないじゃん。次のステージに進めないじゃん。

利益をださないと、スタッフの教育に投資をすることも、能力の高いスタッフに長く勤めてもらうことも、業務を効率化してより広く価値を提供するため IT や物流に投資をすることも、研究開発に投資をしたり、新しいアイデアを形にすることも、できなくなるでしょ?

だから二つ目の条件である「社会のためになる」が実現できている限り、どんどん儲ければいいんです。いや寧ろ、どんどん儲けなくちゃいけない。儲ければ儲けるほど、いろんな投資が可能になるんだから。

儲けるのは、進化のために必要不可欠なんだと。そこを忘れちゃいけない。


★★★


先生と話していて、何かを達成できる人と、何もできないまま「がんばってるだけ」で終わっちゃう人の差は、あまりにも明確だなと思いました。


巧くいかなくても、前に進み続ける。それだけは止めたらダメ
完璧な答えを求めて動かないのもダメ
思考停止に陥ったらダメ
そして、
どんどん利益を上げ、どんどん投資をすべき


そんじゃーね!


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