オタク教養とは何か

あるいは衒学趣味というかな。
無料の冒頭しか読んでないけれども。

で、直接は関係しない話なのですが、このお話のなかに「剣聖ラインハルト」という人物が出て来るんですね。ぼくはこの名前を見たとき、ちょっと苦笑してしまいました。いやいや、ラインハルトといえば金髪の孺子だろう、と(笑)。

オタクにとっての「教養」は崩壊した。次は「常識」がなくなるだろう。(2124文字):弱いなら弱いままで。:海燕のチャンネル(海燕) - ニコニコチャンネル:エンタメ

ちょっと苦笑してしまいますよねwこの言葉にw

確かに、僕もちょっとそういう世代ではあるので、ラインハルトと言ったらまずその名が浮かぶのは否定しない。でも、例えばジャンゴ・ラインハルト(ジャズ・ギタリスト)の名前も同時に浮かぶわけで、「ラインハルト」自体がそこまで珍しい名前でないことを知っている。なので、

ぼくの感覚では、まあ『銀英伝』を読んでいないことはまだありえるとしても、ラインハルトの名前すら知らないなんてことはありえないことなんですが、もうそういう時代じゃなくなっているんだろうなあ。

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というオタク教養上から目線の衒学度合いの低さに驚愕せざるをえないわけです。違うでしょ。ここは田中芳樹がラインハルトという名をどこからとってきたかを提示した上で『Re:ゼロから始める異世界生活』の剣聖ラインハルトとやらの名前のルーツを詮索してみせるくらいがオタク教養なんじゃないの?これじゃあ単に銀英伝ファンの身勝手な固有名詞の絶対価値化でしかないよ。だから

昨日のラジオでも少し話したんですが、オタクにとっての「常識」というものが急速に崩壊しつつあるようです。「あの作品を読んでいないのはオタクとしてダメだよねー」みたいなオタク教養主義はとっくに崩壊したけれど、教養なんてものじゃない「これはさすがに読んでいるだろう」みたいな作品でも、「存在すら知りません」ということがありえるようになった。

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ってのはまあ字面は理解する。最近某オタク評論家がアメコミの吹き出しについて全く実情を踏まえていない浅薄な議論を行なっていた記憶があるけど、評論をしようとするときにそういう知識がないことについての文句はあっていいとは思う。でもさ、「ラインハルト」って名前を使っただけでこの言いようってのはどういうことなんだろうね。もしかしたら、銀英伝を読んだ上で、何らかの意図を持ってそういう名前にしているかもしれないけど、こう決めつけていいものかね。

僕はオタ教養は(特に2000年以降のものは)あまり持ち合わせていない人間ではあるけれども、もし、この手の名前ネタで一席ブツならこんな感じだろう。
「で、直接は関係しない話なのですが、このお話のなかに「剣聖ラインハルト」という人物が出て来るんですね。ぼくはオタク教養者として、「この名前に記号的な意味はあるのだろうか」と詮索せざるを得ないんですよね。もちろん、ラインハルトと言えば「銀英伝」であることは僕らの世代にとっては常識です。名前としてはそれほど珍しいものではありませんし、一時はナチスのラインハルト・ハイドリヒからとったと言われていましたが、作者の田中芳樹氏はテオドール・シュトルムの『みずうみ』の主人公から貰ったと後日明かしました。とまれ、ラインハルトと言う名は銀英伝によってオタク界隈に刻まれた、と言って良いでしょう。そんな象徴的な名前をとったわけですから、そこに何らかの意図があるのか、あるいはないのかを紐解いていくのも物語の読み方としては一興あるものでしょう」
なげーよ。

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