法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

橋下徹弁護士は自分がしないことを他人に求める

近年に日本で国旗国歌法が制定された時、強制にはつなげないと答弁されてもいた。後に参議院でも、音楽授業等で「児童生徒の良心の自由にかかわっていく、あるいは内心の自由の表明についてそれを評価していくというようなことは適切ではないものと考えている」と御手洗康政府委員が答弁している。
そういう制定の歴史を知った上で橋下府知事のツイート一連を読むと、日本ではない別の国の話をしているような気になってくる。

よく調べてもいない段階で他の弁護士を批難して懲戒請求を扇動までした弁護士が、「単なるルール違反の実力行使」を批判するようになるとは思わなかった。
ただ、表現の自由として主張する過程に、「世の中に訴え」という言葉が入っているところは少し興味深い。児童の選択に対して理由がなければ諭すと主張していることと合わせて、自由や権利には多数派の承認が必要と考えている可能性をうかがわせる。
あえて極論で返すなら、教育機関は教育だけやっていればいいのであって、国旗や国歌はその歴史だけ教えておけば、別に諭す必要もないだろう。教える歴史の内容が議論を生むにしてもね。

逆に、それらの試合で起立を強制しているわけではないだろうと思うが。自発的に起立しているだけなら、それこそ自由の発露だから好きにすればいいのではないかと私は思うよ。
だいたい国際的な試合は、国ごとにチームが区切られているとも限らず、日本以上に国内地域の対立が激しい場合もあるから、そう無邪気に国歌が歌われる場と考えてはまずいのだけどね。

小倉秀夫弁護士が解説する諸外国での国旗や国歌の扱い方については、下記Togetterも参考になる。
小倉弁護士、国歌国旗強制について述べる - Togetter

起立できないような障碍がありうることは意識にものぼらないのだろうな。
そもそも起立しても起立しなくても歌う選択肢しかないのかよとか、「この世では」と書いているあたり国歌を歌わせる公立学校式典が先進国では日本の他に中国と韓国くらいしかない*1ことを知らないのかとか、あいかわらず調べもしないまま放言する癖は直っていないらしい。

「子供たちへの祝福」と「税金」と「国旗、国歌」、短いツイートでひとつながりに語っている全ての関係が薄いというところも一種の才能か。
「子供たちへの祝福」は、君が代をたたえる「国歌」と関係ないだろうという批判はすでに複数ある。「税金」と「子供たちへの祝福」もどこに関係があるのかわからない。税金を出しているのも国民であって、国旗や国歌が税金をくれるわけではない。
税金に敬意をはらえというなら、学校式典では『聞け万国の労働者』を歌わせるべきだろうな。

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