柴又事故は、大型タンクローリーに乗っていたU運転手の左折事故から一年半たった昭和53年9月27日に起きましたが、その間、左折事故は年間百件から二百件くらいに増えていました。死亡者は年間二百人を越えました。新聞やテレビで報道される回数も増えました。ほとんどの場合、死亡事故にむすびつきますから。 左折事故は運転手による人為的なものではなく、車の構造に問題があるのではないか。運転席の左横にいる自転車とかオートバイは完全に見えないわけで、そういう危険な車が生活道路を運行しているとしたら、それらの車を認可している運輸省にも責任があるのではないか。もちろん、メーカーにも責任があります。(猪瀬直樹『交通事故…