ほぼ完成版『FF13』プレイレビュー! 売れるのは確実でも面白いの?

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2009年12月17日に発売される『ファイナルファンタジーXIII』(以下、FF13)。9月8日に開催された、『FINAL FANTASY XIII PREMIERE PARTY』では、一足先に東京ゲームショウ2009で体験できる『FF13』をプレイすることができた。

そこでガジェット通信は、実際に『FINAL FANTASY XIII PREMIERE PARTY』に出向き、『FF13』をプレイした人物にプレイレビューを語ってもらった。確実にミリオンヒットになるといわれているが、本当のところおもしろいのだろうか? その真実を語ってもらった。

<実際にプレイした記者によるレビュー>
映画チックという意味でのグラフィックはとても素晴らしかったです。アクションやカメラアングル、特殊効果、どれをとっても迫力があって飽きません。でも、召還獣や特殊な攻撃アクションの演出を毎回見るとなると、10回くらいしたら飽きるかもしれません。これってスキップできないのかな?

肌や風景の質感がちゃんと出ていて、従来のゲームにありがちなツルツル感やノッペリとした印象がありませんでした。でも、服装の一部は少しツルツル感があったように思います。セーターやジーンズ系の質感を持った繊維の表現は、プレイステーション3でも難しいのかもしれませんね。でも、映像に関しては月並みですが「感動」という言葉がぴったりでしたよ。プレイステーション3で『メタルギアソリッド4』をプレイしたとき以来の衝撃でした。

でも、キャラクターの描写はXbox360でも可能なんじゃないかなあと思いました。特にキャラクターの表情の描写は『メタルギアソリッド4』と、そんなに違いがないなあと……。専門家ではないのですが、そう思ったのが正直なところです。いや、さすがに少しは『FF13』のほうが上かもしれませんね。肌のテクスチャーが従来のいろんなゲームよりきめ細かく思えましたので。ちなみに、『龍が如く』よりは確実にキャラクターの描写は上でしたね。『龍が如く』ファンの皆さんごめんなさいね。私も『龍が如く』大好きですが、事実としてそう感じました。

しかし、ゲームという意味でのグラフィックは、いくつか「どうにかならないかなあ」と思った点がありました。1秒間のコマ数が少ないのか、戦闘ではけっこうカクカクした動きをしていました。もっとヌルヌルと動いて欲しいというのが、ファンとしての意見ですね。コマ送りというと極端すぎますが、ちょっと雑な印象は受けました。ほかのゲームならそれでも合格点かもしれませんが、やっぱり『FF』というタイトルのゲームなので厳しく見てしまいます。

それと、攻撃したりされたりしたときに表示されるダメージ数値が気になりました。個人的な印象でしかないのですが、画面に数字が出てくるとなんだか安っぽく見えしまいます。けっこうアクティブに攻撃を繰り返すので、画面には頻繁に数字が出るんですね。それがかっこ悪いのです。雰囲気を壊しているというか、なんというか。せめてダメージ数の数字のフォントデザインをもっといい感じのものに変えられないでしょうかね? 味もそっけもない数字のデザインでした。数字が出ないでゲーム展開できれば最高なんですけどね。最近はヒットポイントを数字で出していないゲームもありますよね。そうして欲しいなあと思いました。

モンスターの描写がとてもかっこ良かったですよ。戦闘画面のモンスターは、味方キャラクターよりも作り込まれているんじゃないでしょうか。蝶のようなモンスターと戦いましたが、質感がすごいのなんのって。ポリゴンだと思いますがポリゴンには思えません。ついにプレイステーション3の本領発揮でしょうか(笑)。ちょっと衝撃を受けてしまいました。モンスターの表面に細かく描かれた模様と、フワフワと浮く様子がリアルすぎるんです。まあ、こんなモンスターはリアルにはいませんが(笑)。現実にいてもおかしくないほどリアルでしたね。このモンスターを見て「あ、買うしかないな」って思いました。

『FF』シリーズではおなじみの召還獣ですが、私の中では召還獣は特別な存在なんですね。あまり戦闘に呼べなくて、プレミアムな感じのスペシャルキャラクターなんです。オーディーンやナイツオブラウンドって、まさにスペシャルです。でも、『FF13』の召還獣って正直、安っぽくなってるんですね。いや、グラフィックがヘボいわけじゃないですよ。何がヘボいかって、主人公キャラクターと同列の存在になってるんですね。今までの召還獣って「ついに呼んだぞ敵を一掃だ!」というイメージでかっこよかったんですが、今回は主人公たちと一緒に戦うキャラクターになっちゃってて、召還獣を呼んでも爽快感がないんですよ。

まあ、呼んでから召還獣と主人公たちが合わせ技を出したりするので、呼んでからが勝負といった戦闘なのですが、召還獣は一発ドーンで爽快感ある存在にして欲しかったですね。たぶん、召還獣に乗れるとか、一緒に戦えるとか、そういうゲームシステム先行で進んでしまった仕様なのかなと。安易ではありますがそう思いました。

テーマソングに関しては、プレイレビューというよりは会場で聴いた印象となります。『FF8』のフェイ・ウォンには勝らないと思いますが(笑)、そつなく可もなく不可もなくといった印象を受けました。私が聴いたなかでいちばんかっこいいと感じた曲は、戦闘のテーマですね。何度聴いても飽きそうになかったです。まあ、私が聴いたのが本当に戦闘のテーマかどうかわかりませんが。

キャラクターデザインについてですが、イケメンに美女っていうのはテレビドラマや映画と同じで仕方ないと思っていますが、もっと汗臭い、もっと硬派なキャラクターを主人公にしてもいいのかなって思います。だってほら、ハリウッド映画では確かにブラッド・ピットは人気ですが、シュワちゃんも人気でしょう? シルベスター・スタローンとジャン・クロードバンダムのどっちが強いか? なんて言われたら返答に困りますが、スタローンが主人公でもおもしろいし、バンダムだってかっこいいと思うんですよ。どの俳優がいいかといわれたら、「どっちもおもしろい」と返答したいですね。

そういう理由から、主人公キャラクターバリエーションは必要だと思うんですね。だから、イケメンや美女が主人公の『FF』もいいけど、そうじゃない『FF』もやってみたいと思います。関連グッズを売ることやビジネスのことを考えると、それはできないのかもしれませんが……。

まあ、正直なところ何だかんだ文句をつけたところで、買ってしまうのが『FF』シリーズなんですよ。駄作だったら1作目から続けて全作プレイしませんからね。少なくとも、『FF12』までは熱中してプレイしました。今回も、何だかんだ言っても買うと思います。コストパフォーマンスもふまえて点数をつけるとしたら8点! もっと安かったら9点でした。この不景気な世の中、「小中学生には高すぎるかな?」というのが印象なので。

最後にひとこと。世界観についてですが、私の中では『FF13』は『FF』シリーズではなく『スターオーシャン』に近い印象を受けました。ゲーム性はまったく違いますが、プレイした限り、もはや私たちが抱くファンタジーではないです。『スターオーシャン』と同じ世界! と言われても違和感のない『FF13』でした。

イラスト: 中邑みつのり

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