アニー・ラウダ
アニー・ラウダ (Annie Rauwerda [ˈraʊ.ərdə];[1] 1999年11月27日 - ) は、アメリカ合衆国のインターネットセレブリティ、ジャーナリスト、コメディアンである。ウィキペディアの真面目さゆえのおかしさに光をあてたSNSグループ「デプス・オブ・ウィキペディア」で知られ、舞台やメディアでウィキペディアをテーマにしたバラエティ番組やコメディーを主催している。ウィキペディアの運営母体である非営利法人ウィキメディア財団より、2022年最優秀メディア貢献賞を授与された。
アニー・ラウダ Annie Rauwerda | |
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ラウダ、2023年 | |
生誕 |
1999年11月27日(25歳) グランドラピッズ (ミシガン州) |
教育 | ミシガン大学 (学士) |
公式サイト |
annierau |
Instagram information | |
Page | |
Years active | 2020–present |
Followers | 1.3 million |
Contents are in | English |
Associated acts | デプス・オブ・ウィキペディア |
Updated: November 28, 2023 | |
署名 | |
2023年にラウダは、ブルックリン区の公園で「永遠のシチュー」を主催し、ソーシャルメディアで拡散したことで、さらにメディアの注目を集めた。
幼少期と教育
編集1999年11月27日[2]、アメリカ合衆国ミシガン州グランドラピッズに生まれたラウダは[3][4]、そのまま地元グランドラピッズのキリスト教系の学校で高校まで過ごした。高校から大学へ進む間、社会勉強の期間(ギャップ・イヤー)を経て、アメリコープに応募、シカゴでSTEM授業のTAとなった。ギャップ・イヤー終了後、2019年にミシガン大学へ入学し[4]、2022年に神経科学で学士号を取得して卒業した[4][5]。
ウィキペディア
編集ラウダは中学高校時代に、ウィキレーシングを通じてウィキペディアに興味を持った[6][7][8]。ミシガン大学2年生時の新型コロナウイルス感染症の流行期に「デプス・オブ・ウィキペディア」を創ったが、ソーシャル・メディア・アカウントのグループとして、ウィキペディアにおいて、自身が「奇妙で楽しい」と考えた記述を取りあげる活動を始める[9][10]。同名のアカウントはすでに2020年4月、インスタグラムに設けてあり、TikTokとTwitterにも展開した[6][7]。すべてのアカウントを合わせたフォロワー総数は100万人超にのぼる[11]。
「デプス・オブ・ウィキペディア」のソーシャル・アカウントに加えて、ラウダはウィキペディアをテーマにしたバラエティやコメディショーも主催し、2022年と2023年にはツアーも行った[9][5]。オンライン開催ではなく現地開催でおこなった最初の舞台は2021年7月で、やがて国を横断して巡業するコメディ・ツアーに拡大した[12]。彼女の舞台では、オンラインでおこなっている「デプス・オブ・ウィキペディア」の投稿と同様に、ウィキペディアのスクリーンショットのスライド集や、彼女による愉快なコメントが繰り広げられる[11][12][13][14]。
2022年8月、ラウダはウィキペディアを運営する非営利法人ウィキメディア財団より「2022年最優秀メディア貢献賞」を授与された[15]。同年10月にはオンラインマガジン『スレート』誌に、ウィキペディアの記事「2022年ロシアの実業家たちの不審死」について寄稿し、検閲に直面した地域におけるウェブ版百科事典の有用性を強調した[11][16]。2023年時点でラウダはウィキペディアの文化史を題材に書籍を執筆中だった[9][17]。
永遠のシチュー
編集2023年6月7日、ラウダは自宅アパートでスロークッカーにより菜食主義のポテトとネギのスープを作り始めた。「永遠のシチュー」(注ぎ足しシチュー)の概念に触発され、毎食後に残ったスープをストックし、具や水分を補充して再び調理した[18][19][20]。ラウダはとうとう屋外で「シチューの夜」を一般に公開すると決めると、ブルックリン区ブッシュウィックのフェルミ公園で振る舞いはじめ、人々が集ってきてシチューを食べた[21][22][23]。菜食主義の食材を持参するよう参加者に奨励すると、300人ほどがシチューの材料を提供した[18][24][25]。シチューの調理は60日間、連続して2023年8月6日に終了した[19]。
このイベントはソーシャルメディアで拡散してバイラル現象を起こし、「インターネット・センセーション」「Z世代の大流行」などと書きたてられた[21][22][25][26]。ラウダはシチューの煮え具合をTikTokに記録し、そのいくつかの投稿の反響は数百万ビューにも達した[21][25]。ウェブサイトでラウダの記録が伸びれば伸びるほど、イベントもさらに注目を集めた[18][21]。
私生活
編集ラウダは2021年、インスタグラムのインフルエンサーであるキャロライン・キャロウェイから、猫を譲り受けた[27][28]。2023年時点のラウダの住居はニューヨーク市ブルックリン区のアパートであった[29]。
主な執筆記事
編集- Rauwerda, Annie (May 11, 2021). “Billy Magic and the internet's unabashed enthusiasm for public transit [ビリー・マジックとインターネットが公共交通機関に寄せるあからさまな熱意”]. The Michigan Daily
- Rauwerda, Annie (July 14, 2021). “College quantified [大学の定量化”]. The Michigan Daily
- Rauwerda, Annie (September 15, 2021). “Stars, they're just like us: Why astrology sticks around [星も私たちと同じ:占星術人気が根強い理由”]. The Michigan Daily
- Rauwerda, Annie (October 21, 2022 2022). “Russian oligarchs keep dying in suspicious ways. Wikipedia is keeping a list. [ロシアの寡頭政治家たちの不審死が重なる。ウィキペディアが保ってきた一覧より。”]. Slate
- Rauwerda, Annie (January 18, 2023). “Wikipedia's redesign is barely noticeable. That's the point. [ウィキペディアの再設計はほとんど目立ちません。それがポイントだから。”]. Slate
- Rauwerda, Annie (April 12, 2023). “In search of Wikipedia's shrug guy [肩をすくめる男をウィキペディアで探して”]. Defector
参考文献
編集本文の典拠、主な執筆者、編者の順。
- Aceves, Paula (July 13, 2023 2023). “Our Lady of Perpetual Stew”. グラブストリート. オリジナルのJuly 20, 2023時点におけるアーカイブ。 July 30, 2023閲覧。
- Calise, Gabrielle (September 21, 2023 2023). “Looking for weird Tampa lore? Depths of Wikipedia to uncover local oddities” (英語). Tampa Bay Times. オリジナルのOctober 29, 2023時点におけるアーカイブ。 November 28, 2023閲覧。
- Craker, Lorilee (March 27, 2023 2023). “Excavating Wikipedia for Fun and Profit [面白いし収入になるからウィキペディアを深掘り”]. The Banner. オリジナルのNovember 28, 2023時点におけるアーカイブ。 July 26, 2023閲覧。
- Harrison, Lane (July 18, 2023 2023). “She's been cooking a stew for 40 days — and it's attracted hundreds of new friends [40日間、シチューを煮続け、友だちが数百人できた”]. CBC Radio. オリジナルのJuly 20, 2023時点におけるアーカイブ。 July 20, 2023閲覧。
- Ishikawa, Rachel (March 6, 2023 2023). “Stateside Podcast: The depths of Wikipedia”. ミシガン・ラジオ. オリジナルのJuly 26, 2023時点におけるアーカイブ。 July 26, 2023閲覧。
- Joshi, Shamani (January 13, 2022 2022). “I Look For the Weirdest and Wildest Things on Wikipedia. Here's What I've Learned. [ウィキペディアで最も奇妙でワイルドなものを探して—学んだのはこういうこと”]. ヴァイスニュース. オリジナルのJanuary 25, 2022時点におけるアーカイブ。 July 23, 2023閲覧。
- Kambhampaty, Anna P. (March 31, 2022 2022). “Want to See the Weirdest of Wikipedia? Look No Further.”. The New York Times. オリジナルのMarch 31, 2022時点におけるアーカイブ。 July 23, 2023閲覧。
- Karpan, Andrew (August 9, 2023 2023). “Scenes From the Final Stew in Bushwick”. Bushwick Daily. オリジナルのNovember 9, 2023時点におけるアーカイブ。 November 28, 2023閲覧。
- Mayorquin, Orlando (July 20, 2023 2023). “The Perpetual Stew Is More About Community Than Cuisine [永遠シチューは食べ物というよりコミュニティ”]. The New York Times. オリジナルのJuly 20, 2023時点におけるアーカイブ。 July 20, 2023閲覧。
- Ponti, Aimsel (November 27, 2023 2023). “Things to Do: Theater, fine art fair, disco party and a show about Wikipedia [やることリスト:演劇、美術、ディスコ・パーティー、ウィキペディアが主題の演目”]. Press Herald. オリジナルのNovember 29, 2023時点におけるアーカイブ。 November 28, 2023閲覧。
- Spencer, George (August 26, 2022 2022). “From rabbit hole to raging success”. Michigan Today. オリジナルのJuly 23, 2023時点におけるアーカイブ。 July 23, 2023閲覧。ミシガン大学大学新聞
- Villena, Cole (February 28, 2023 2023). “Depths of Wikipedia's Annie Rauwerda Is Obsessed With Accessible Information [ウィキペディアのアニー・ラウダの深度:情報へのアクセスに拘泥する”]. Nashville Scene. オリジナルのMarch 25, 2023時点におけるアーカイブ。 July 23, 2023閲覧。
脚注
編集- ^ Dzotsi, Emmanuel; Goldman, Alex; Nederveen-Pieterse, Kim (9 June 2022). "#188 Into the Depths". Reply All (Podcast). Gimlet Media. 該当時間: 1:24. 2022年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月5日閲覧。
- ^ Rauwerda, Annie (November 21, 2022). “23 things i learned in 23 years”. LOL (lots of links). August 4, 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。November 28, 2023閲覧。
- ^ Ishikawa 2023, ミシガン・ラジオ
- ^ a b c Craker 2023, "The Banner"
- ^ a b Spencer 2022, ミシガン大学学生新聞『ミシガン・トゥデイ』
- ^ a b Joshi 2022
- ^ a b Kambhampaty 2022, 『ニューヨーク・タイムズ』紙
- ^ Cavender, Ella (October 24, 2021). “Travel down a Wikipedia rabbit hole with the mastermind behind DepthsOfWikipedia Instagram”. Mashable. October 26, 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。July 23, 2023閲覧。
- ^ a b c Aceves 2023, グラブストリート
- ^ “Depths of Wikipedia: Meet the Michigander who scours the web for anything weird and wonderful”. WKAR Public Media (April 11, 2022). July 23, 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。July 23, 2023閲覧。
- ^ a b c Villena 2023, 『ナッシュビル・シーン』紙
- ^ a b “Instagram Memers Are Performing in Sold Out Live Shows”. Gizmodo (February 3, 2023). July 23, 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。July 23, 2023閲覧。
- ^ Calise 2023, 『タンパベイ・タイムズ』紙
- ^ Ponti 2023, 「やることリスト:演劇、美術、ディスコ・パーティー、ウィキペディアが主題の演目」『Press Herald』紙
- ^ Wikimedia Foundation (August 14, 2022). “Celebrating the 2022 Wikimedians of the Year!” (英語). Diff. August 26, 2022時点のオリジナルよりアーカイブ。November 28, 2023閲覧。
- ^ Rauwerda 2022, Slate
- ^ Mayorquin 2023, 『ニューヨーク・タイムズ』紙、2023年7月20日付
- ^ a b c Harrison 2023, Bushwick Daily
- ^ a b Karpan 2023, 「Scenes From the Final Stew in Bushwick」『Bushwick Daily』紙
- ^ Russo 2023 Russo, Christine (July 19, 2023 2023). “Annie's Perpetual Stew ignites flavorful Brooklyn community tradition”. FOX 5 New York. オリジナルのJuly 20, 2023時点におけるアーカイブ。 July 20, 2023閲覧。
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- ^ a b Mayorquin, Orlando (July 20, 2023). “The Perpetual Stew Is More About Community Than Cuisine”. The New York Times. オリジナルのJuly 20, 2023時点におけるアーカイブ。 July 20, 2023閲覧。
- ^ McCarthy, Liz; Aujero, Sophia (July 20, 2023). “Would you eat perpetual stew? This Brooklyn soup has been brewing for over 40 days”. NBC New York. オリジナルのJuly 20, 2023時点におけるアーカイブ。 July 20, 2023閲覧。
- ^ Aceves, Paula (July 13, 2023). “Our Lady of Perpetual Stew”. Grub Street. オリジナルのJuly 20, 2023時点におけるアーカイブ。 July 30, 2023閲覧。
- ^ a b c Werner, Kaleigh (July 18, 2023). “Woman goes viral for cooking 'perpetual stew' for 40 days straight”. The Independent. オリジナルのJuly 20, 2023時点におけるアーカイブ。 July 20, 2023閲覧。
- ^ Descalsota, Marielle (July 19, 2023). “New York Gen Zs are going wild for a stew that's been brewing for a month. Wait until they find out about Bangkok's 50-year-old soup.”. Business Insider. オリジナルのNovember 28, 2023時点におけるアーカイブ。 July 20, 2023閲覧。
- ^ Rauwerda, Annie (October 21, 2021). “Siamese cats are heatmaps of themselves”. Boing Boing . オリジナルのJuly 27, 2023時点におけるアーカイブ。 July 27, 2023閲覧。
- ^ Foussianes, Chloe (January 26, 2023). “Annie Rauwerda Finds Treasure In The Depths Of Wikipedia”. Bustle. オリジナルのNovember 28, 2023時点におけるアーカイブ。 July 27, 2023閲覧。
- ^ Avi-Yonah, Shera (July 13, 2023). “This Brooklyn stew is 36 days old. The lines are around the block.”. The Washington Post. オリジナルのJuly 13, 2023時点におけるアーカイブ。 July 23, 2023閲覧。