Kyoko Shimbun 2023.09.23 News

「油に油を注ぐ」? 川省堂の慣用句辞典が物議 これは嘘ニュースです

「油に油を注ぐ」が収録されている『川省堂明晰慣用句辞典』
 川省堂(東京都渋谷区)が8月に発売した『川省堂明晰慣用句辞典第3版』が物議を醸している。収録する慣用句「火に油を注ぐ」が「油に油を注ぐ」になっていたためだ。同社は誤植とはせず、掲載を続けると主張している。

 今月初旬、辞典の購入者が「誤植ではないか」と、SNSに投稿したことがきっかけで発覚した。「火に油を注ぐ」は「勢いのあるものにさらに勢いを与えること」を意味するが、「油に油を注ぐ」という慣用句は存在しない。

 投稿への反響が広がったことを受け、同社は22日、HP上にコメントを掲載。「ガソリン価格が急騰している昨今、『油に油を注ぐ』もまた『勢いのあるものに勢いを与える』という意味を持つと考えて差し支えありません」と説明したが、誤植かどうかについての明言は避けた。訂正や回収はせず、慣用句として辞典に掲載し続けることで既成事実化を図りたいとしている。

 実際にない慣用句を掲載する方針を示したことについて、揮発油と言語の関係について詳しい瓦斯倫理研究センターの坂本義太夫所長は「どう言い繕っても『油に油を注ぐ』では、継ぎ足し給油の意味にしかならない」と対応を疑問視する。一方、「このような詭弁が一定の説得力を持つそもそもの原因は、政府がガソリンに対して『税に税を課す』という無理を通しているからだ」とも指摘する。

 『川省堂明晰慣用句辞典』は、慣用句やことわざ約1万2千項目を収録。「むだ話などをして仕事を怠けること」を意味する慣用句「油を売る」に、2番目の意味として「庶民をゆすること」を追加するなど、独自の編集方針が一部の愛好家から高い評価を受けている。

新しいアプリで記事を読む

App Storeからダウンロード Google Playからダウンロード

虚構新聞友の会

本紙友の会へ入会すると、会員専用掲示板に書き込みができます。

おすすめリンク

<BOOK>日本の納税者

税金はややこしくてわからない―。いや、ちょっと待て。わからないでは済まされない。税務署がどこにあるかさえ知らない日本の納税者。その無関心につけ込んだ「お上まかせの税制」が、今日の財政危機と格差社会を生んだのだ。大多数の国民が、いかに税金に関心を持てなくされているか。その背景と現状を伝える。

社主ピックアップ

文化

人気記事ランキング

今月の一冊

「今月の一冊」バックナンバー

虚構新聞社のRSS/SNS

虚構新聞のウェブサービス

虚構新聞社の本

注目コンテンツ

pFad - Phonifier reborn

Pfad - The Proxy pFad of © 2024 Garber Painting. All rights reserved.

Note: This service is not intended for secure transactions such as banking, social media, email, or purchasing. Use at your own risk. We assume no liability whatsoever for broken pages.


Alternative Proxies:

Alternative Proxy

pFad Proxy

pFad v3 Proxy

pFad v4 Proxy