製造業に特化し、大手ベンダに対抗

3年以内に自動車部品のERP市場でシェア1位に〜QAD柴田代表

2007/05/10

 製造業に特化したERPを出荷している米QADは5月10日、ERPの新製品「QAD エンタープライズ・アプリケーション 2007」を発表した。エンタープライズ・アプリケーション 2007は、同社の主力製品だったMFG/PROの後継製品に位置付けられており、「この1年で7億円、2年以内に基本機能だけで7億円の売り上げを目指す」(キュー・エー・ディー・ジャパン・インク 代表 柴田一郎氏)と強気の姿勢を見せた。

ルプカー氏写真 米QAD 社長兼会長 パメラ・ルプカー氏

 米QADは、製造業に特化したERPを提供している会社。1979年設立で、2007年度の売り上げは2億3600万ドル。26カ国にオフィスを構え、90カ国以上の5800サイトで利用されている。主に対象とするのは、「自動車・自動車部品」「一般消費財」「電気・電子部品」「食品・飲料」「工業製品」「医薬品・医療機器」の6業種。

 比率は、電機・電子部品が40%、自動車・自動車部品が30%、一般消費財が18%、医薬品・医療機器が12%と続く。地域別売上は、北米が43%、欧州・中東・アフリカが34%、アジアパシフィックが16%で、日本の売り上げは「現状アジアパシフィックの1%にも満たない。2010年までに2000万ドルを目指す」(柴田氏)と説明した。

 新製品のエンタープライズ・アプリケーション 2007は、主に「独立型導入方式」「企業向けスイート」「人間工学」「グローバルプラットフォーム」の4つの特徴を備える。価格は、「中心の価格帯は3000万〜5000万円。小さいところでは10ユーザー程度のところもある。中規模企業の場合で8000万〜1億5000万程度だ」(柴田氏)。独立型導入方式とは、従来のライセンス方式による提供ではなく、QADがサーバを用意してオンデマンドで提供するホスティング型サービス。企業向けスイートでは、製造業で必要な企業資産管理や需要管理、SFAなどの機能を1つにまとめた。

 人間工学に基づきインターフェイスを改良した。米QAD 社長兼会長 パメラ・ルプカー(Pamela Lopker)氏は、「長年ERP製品にあったクレームに『データのアウトプット方法が限定されすぎている』というものがあった。この問題を解決するため、データをCSV形式でアウトプットできるようにした」とメリットを強調した。

柴田氏写真 キュー・エー・ディー・ジャパン・インク 代表 柴田一郎氏

 グローバルプラットフォームでは、複数通貨や複数言語、複数事業体に対応し、オフショア生産の多い製造業向けに配慮した。ルプカー氏は、今後の展開について「今後は自動車業界や医薬品業界向けのオンデマンド版、役割別のユーザーインターフェイス、拡張スイート製品などを提供する予定だ。今後も製造業に特化したERP製品を提供していく」と語った。

 日本市場では現在60社以上の顧客がおり、顧客の70%が自動車部品製造と電気・電子機器製造業だという。また、日本市場の独自性もあることから、「顧客満足度向上のために、お客さまと共同で製品を制作したり、技術支援することを積極的に行っている」(柴田氏)とした。日本市場における今後の目標については、柴田氏は「3年以内に自動車部品製造業のERP市場でシェア1位を目指す。また、電気・電子機器製造業でも3位以内を目指す。まずは、現在の顧客60社のうちの25社と新規10社の計35社をターゲットにエンタープライズ・アプリケーション 2007を販売していく」とコメントした。

(@IT 大津心)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

pFad - Phonifier reborn

Pfad - The Proxy pFad of © 2024 Garber Painting. All rights reserved.

Note: This service is not intended for secure transactions such as banking, social media, email, or purchasing. Use at your own risk. We assume no liability whatsoever for broken pages.


Alternative Proxies:

Alternative Proxy

pFad Proxy

pFad v3 Proxy

pFad v4 Proxy