ギターという楽器はいくつもの様々なパーツの組み合わせが“バランス”して、そのギターのキャラクターが出来て上がっています。なので、ボディの材やネックの形状だけで、ひと口に特徴や音色を決めつけるわけにはいかないのですが、各主要パーツの『材』や『形状』によっての基本的な音の特徴を知っておく事は、ギターを買ったり、改造したりする時に非常に役に立つはずです。今回は「ボディ」、「ネック」、「フィンガー・ボード(指板)」、「フレット&ナット」の4パーツについて簡単にわかりやすくまとめてみたいと思います。 |
エレキギターのボディは大きく分けてフェンダーのギターなどに見られる“フラット・トップ”という表面が平らなものと、レスポールやポール・リード・スミスなどに見られる“アーチド・トップ”という中心から外側に向かって緩やかにカーブ(アーチ)をつけたものに分けられます。(セミアコやフルアコなどの中が空洞のギターは除く)この2つの形状の違いはボディへの弦振動の違いにつながるので、音色も変わるはずですが、どちらが良いということはなく、好みで選んでよいでしょう。
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ボディの形よりも、材の違いの方が大きくサウンドに影響します。各材の特徴を知ってギター選びの参考にして下さい!また、より個性的なサウンドを目指したり、それぞれの材の弱点を補いあってバランスをとるために2つの違った材を組み合わせる“ラミネイト”という手法をよく使われています。代表的な例が『レス・ポール』でメイプルをトップ(表)材に用いてマホガニーをバック(裏)材に用いる手法で、メイプルのタイトな特性とマホガニーの暖かみのある特性が上手くバランスされています。この他、ボディの厚みやパーツを埋め込む穴(キャビティ)の開け具合によってもサウンドは変化します。
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ネック材としては『メイプル』と『マホガニー』が一般的ですが、ボディ同様2つの材を3枚で張り合わせて(ラミネイト)して強度を上げたものなどもあります。またアルミ製のネックや強化ファイバー製のネック、カーボン・グラファイトのネックなどもあります。これらは木製のネックに比べて優れた強度を持っていたり、ひと味違うサウンド・キャラクターを持っていたりしますが、一般的には木製のネックが主流なようです。
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弾きやすいネックを選ぶことは、上手くなるために非常に大切です。ギターを弾く中で一番演奏に影響するのがネックのグリップでしょう。ネックは大きく分けて“U字型のシェイプ”と“V字型のシェイプ”の2種類を基本としています。それをベースに「幅」や「厚み」にバリエーションを持たせたものが作られています。テクニカルなプレイを好む人には薄くて幅の広いネックが人気のようです。ネックの厚みは『音の太さ』に比例していることが多い。 この他、ネックの塗装も演奏性に大きく影響するので「塗装の厚いもの」と「オイル・フィニッシュなどの木の手触りを残したもの」のどちらを選ぶかも、実際弾いてみて自分のフィーリングに合うものを選びましょう。
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ネックとボディのジョイント方式も3種類あって、それぞれのメリットやデメリット、サウンドの違いがあります。 簡単に紹介してみます。
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「メイプル」、「ローズ・ウッド」、「エボニー」が主流。「メイプル」には指板まで1本の木で出来ている“ワンピース・ネック”とローズウッドなどのものと同じように指板を貼り合わせた“貼りメイプル・ネック”があります。 ’59年〜’62年のストラトなどに見られる、“平ら”なネックにアール(丸み)のある指板を貼った指板を『スラブ・ボード』といいます。
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指板(フィンガー・ボード)には緩やかなアール(カーブ、丸み)が付いているものですが、 これも弾き心地に大きく影響するので、少し触れておきましょう。
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フレットの形状や材質もサウンドに大きく影響するので紹介しておきます。 材質については硬いもの程『音も硬く』、柔らかい材質のもの程『音もソフト』な印象です。柔らかいとチョーキングやヴィブラートを多用する人などは、すぐに擦れてしまい“フレット交換”のサイクルが早くなってコストがかかるかもしれませんので、自分のスタイルに合った材質を選んで下さい。 また、“フレットの高さ”も重要で低いと『スライドやグリスに有利』という特徴があり、高いと『チョーキングに有利』という特徴があります。高いフレットでは力を入れすぎると「音程が上がってしまう」ので注意しましょう。
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弦が直接乗る『ナット』も音質を決める重要なアイテムです。それぞれの特徴をまとめてみます。 |
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牛骨製ナット コシのある自然な響きが得られるので「標準的」素材になっている。 |
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ブラス(真鍮)製ナット ソリッドなサウンドで、かなりのサステインがある。錆には注意。 |
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グラファイト製ナット 耐久性がよく、サステインも良い。 摩擦が少なく滑りが良いのでアーミングに向いている。 |
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練りもの製ナット 牛骨の代わりの素材として最近よく使用されている。 サウンドは牛骨に近いが、柔らかいので耐久性に欠ける。 |
プラスチティック製ナット 安価なギターに多い。サウンドはクセが無く、軽め。 |
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ロック・ナット フロイド・ローズ・トレモロなどのギターに使用されるタイプ。 完全にロックしてしまうのでチューニングの微調整はトレモロ側で行なう。金属製。 |
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ローラー・ナット ナットと弦の摩擦を極限まで減らすことを目的に開発されたナット。 アーミング派は注目のナット。ジェフ・ベックで有名。 ベアリングを使用したナットもある。 |
ピック・アップやボリューム・ポッド、コンデンサーなどの電気系の話は また後ほど特集してみますのでお楽しみに!! |
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