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EMI、全楽曲を「DRMなし」に――iTunes Storeで販売

» 2007年04月02日 21時39分 公開
[ITmedia]

 EMI Musicは4月2日、自社の全楽曲を従来よりも高音質、かつデジタル権利管理(DRM)なしで提供する新しい小売業者向けプレミアムダウンロードを立ち上げると発表した。

 この日からEMIはオンライン音楽小売業者に、DRMなしのオーディオフォーマットで各楽曲およびアルバムを、業者の選んだビットレート(最高でCDクオリティ)で提供する。

 これは家庭の音楽システム、携帯電話、デジタル音楽プレーヤーでHi-Fi音楽を利用したいという消費者の声に応えたものだと同社は述べている。同社のDRMフリー楽曲は、すべてのデバイス・プラットフォームに対応する。

 AppleのiTunes Storeはこのプレミアムダウンロードを最初に提供するオンライン音楽ストアとなる。iTunes Storeで提供されるEMIのDRMフリー楽曲は、従来の2倍の音質のAACフォーマットで提供される。価格は1曲当たり1.29ドルで、ユーザーはDRM付きの曲を99セントで購入することもできる。アルバムは価格据え置きでDRMフリー版になる。

 iTunes Storeで販売されているAAC楽曲は通常は128kbpsのビットレートだが、DRMフリー版は256kbps。Appleのスティーブ・ジョブズCEOはDRMフリー楽曲の販売を「ワールドワイドで5月中にスタートする」とし、「年内にiTunesで販売するうちの過半数がDRMフリーになる」と述べている。

 DRM付きの楽曲あるいはアルバムを購入済みのユーザーは、1曲30セントでDRMフリー版にアップグレードできる。

 EMIのミュージックビデオもすべてiTunes StoreでDRMなしで提供される。価格は据え置き。

 EMIは今後数週間以内にさまざまなオンライン音楽ストアで同社のDRMフリー楽曲が購入できるようになるとしている。楽曲はAAC、WMA、MP3など各サービスが選択したフォーマットで提供される。

 EMIは会員制サービスやスーパーディストリビューション(ファンが友人と楽曲を共有できる)、時間制限付きダウンロード(広告付きサービスなど)といった革新的なデジタルモデルを可能にするために、DRMの採用は続けるとしている。

 EMIのエリック・ニコリCEOは発表文の最後で、「あらゆる形での海賊版との戦いと消費者の教育を続ける」と述べている。

EMIのニコリCEO(左)とAppleのスティーブ・ジョブズCEO

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