バックアップソフトいろいろ

OS Xで使えるバックアップ用のソフトをいくつかご紹介します。
紹介するのは、自分の作ったファイルなどをバックアップする時などに便利な、差分バックアップを重視したソフトが中心となります。また、フリーウェアも沢山ありますが、フリーが故に試しやすいので、ここではあまり扱っていません(自分があまり使った事がない事が大きいのですが)。
 バックアップした方が良いというけれど、何をバックアップしたら良いか分からないという方は、丸ごとバックアップできる Time Machine がお勧めです。
また、バックアップ先をそのまま起動ディスクにもしたいという方は、ここではあまり紹介していませんが、SuperDuper!Carbon Copy Cloner などのクローンバックアップが取れるソフトをお勧めします。
 OS XのバックアップソフトはUNIXベースだからか、ここに挙げただけではなくフリー、シェア含めまだまだ大量にあります。いろいろと試してみて、用途含め自分にあったものを選ぶのが良いかと思います。

Retrospect、SilverKeeperは現バージョン未使用。Synkはバージョン5のお試し期間での評価。現在は主にTimeMachine、ChronoSync、SuperDuper!を使用。
一部間違いなどあるかもしれませんので、使用する際にはお確かめになってください。

◆紹介ソフト 各ソフトの主な特徴 詳細
Time Machine Apple純正。OS X10.5 Leopardから採用。手軽で意識しないバックアップソフト。Finderと一体のようなUIが特徴。
Retrospect 6 非常に高機能の代表的な市販ソフト。高機能な故少し難解。ネットワークにも強い。
SilverKeeper 2 ラシーの配付するフリーのバックアップソフト。動作も軽くだいたいの事は出来る。
Indelible 2 そこそこ分かりやすく、そこそこ高機能なソフト。見栄えはいい。
Apple MobileMe
Backup 3
MobileMe会員にならなければいけないが、ネット上のサーバへのバックアップなど便利。
Synk 5 高機能。履歴保存可。2006.6現在英語版のみ。
ChronoSync 4 高機能。履歴保存可。日本語版あり。
Memeo LifeAgent 2 常時監視。履歴保存可。日本語版あり。

■表の説明。

・スケジュール…指定時間に自動バックアップ
・Finder管理…Finderでバックアップされたファイルを取り出せられるか。(独自形式かどうか)
・差分…差分バックアップ。更新のあったファイルだけをバックアップ対象に出来る。
・増分…増分バックアップ。更新のあったファイルをベースのフルバックアップとは別管理にバックアップ。CD-Rなど別メディアへの保管時に便利。
・履歴保管…削除、更新される前バージョンのファイルを保管。
・除外設定…除外する設定の柔軟さ。
・除外ラベル指定…Finderラベルでバックアップ除外指定。
・クローン…起動可能なOSのバックアップ作成。
・圧縮…バックアップファイルの暗号化
・圧縮…バックアップファイルの圧縮
・安定感…バグの多さ、落ちやすさ、バックアップの正確さ
・ネットワーク…バックアップ時にNASをスリープから起こし、マウント出来るか
・U.B…ユニバーサルバイナリか

スケジュール Finder管理 差分 増分 履歴保管 除外設定 除外ラベル指定 クローン 暗号化 圧縮
Time Machine ○通常一時間毎固定。 △Finderだと本体とハードリンクの区別がつかない。基本的にFinderで弄らない方がいい。 × △再インストール後、バックアップからの書き戻しで可能 × ×
Retrospect 6 ○詳細未確認 × ○詳細未確認
SilverKeeper ○指定時刻が来るとアクティブになる。 × △ソース丸ごと × × ×
Indelible 2 ○指定時刻(1分刻み) △履歴分は不可視で保管 ○データベースからリストア ×
Apple MobileMe
Backup 3
○指定時刻(15分刻み)指定時刻が来るとアクティブになる。 △パッケージで保管 × ○増分バックアップ
データベースからリストア
× × × ×
Synk 5 ○指定時刻(1時間刻み) × ○日付フォルダ別に収容可。 ×
ChronoSync 4 ○指定時刻(1分刻み) × ○アーカイブフォルダにバージョン管理(改名) ○高度設定から可 △うちでは失敗 × △アーカイブ分のみ可
Memeo LifeAgent 2 随時 × ○バックアップ先で改名 × × ×
○HyBackup(参考) ○15分〜12時間毎、若しくは時刻を2つまで指定可。 × ○日付フォルダ別またはバージョン別に収容可。 × × ×
日本語化 設定のしやすさ 安定感 価格 ネットワーク U.B 特記事項
Time Machine OSに付属 △通常Time Capsuleのみ※1 新しいデータは頻繁に。古いデータはローペースに更新してくれる。
Retrospect 6 ×独特が故難解 --- 14800円 × 多数のメディアをサポート
SilverKeeper △最新版は英語版 ×言葉が少な過ぎて返って難解 0円 ○(ver.2から) ○(ver.2から) Leopard はver.2から
Indelible 2 ○基本的には良い方だが、抜けがある 5000円 × CD/DVDへバックアップ可
Apple MobileMe
Backup 3
△カスタムが面倒 9800円/年(MobileMe) × 履歴制限なし
Synk 5 × △基本的に分かりやすいが英語版なので 20$(ver.6からは25〜45$) ×
ChronoSync 4 ○経験者ならマニュアル無しでも問題なし。 40$ 柔軟な設定
Memeo LifeAgent 2 --- 39.95$ × 常時監視
○HyBackup(参考) △慣れてなければ多分戸惑う 任意額 × ×Rosettaは不明

※1 TM Managerというソフトで可能。

オススメ度 総合評価
Time Machine ★★★★☆ とにかくお手軽。バックアップを意識しないで使える反面、デフォルトでは最近のファイルだと一時間毎の同期のため、充分にバックアップしたい場合、設定に気をつけないと巨大な容量を必要とする。ただし標準ではキャッシュファイルなどはバックアップされない。細かい設定は出来ないため、丸ごとバックアップ向きだが、多分殆どの人はこれで事が足りてしまうだろう。Airport Diskには「Time Machine および AirMac アップデート 1.0」を適用後使用出来るようになる。
Retrospect 6 ★★ 機能は十分過ぎるほど。ただし独特のシステムや複雑な設定が故、誰しもお奨め出来るソフトではない。これでしか出来ない機能も多い。
SilverKeeper ★☆ 最大の魅力は無料で使える事。詳しい人ならrsyncあたりでcron組めば代用出来る。というかそれにGUI付けたものと思っていい。(ver.1 指定時刻になるとアクティブになり、裏に回しても終了時にまたアクティブになるというのは新手の嫌がらせ?)
2008.11:ユニバーサルバイナリ、Leopard対応のver.2が出ています。指定時間にアクティブになるのは変わらず。しかし終了時にまでなる事はなくなった。NASマウント出来るようになった。履歴保管の方法は良くも悪くも従来通り(ソース丸ごと複数作る形)。ver.1の時からそうだが、この履歴保管方法でも、保管場所を個々に指定出来るなら実用度もかなり上がるのだが、これでは容量食うばかりでメリットが少ない。ログファイルが重くて見にくい。
Indelible 2 ★★ 基本的に裏で動作させるソフトなので問題ないが、起動が遅い。除外設定が少なく不便。個人的にはラベル除外がないのは辛い。旧ファイルは不可視で格納されリストアで戻す概念なので、Finder管理派の人は合わないかも。
Apple MobileMe
Backup 3
Ver3から履歴も付いて少しは使えると思いきや、フルバックアップ+増分バックアップしかないので、時折フルバックアップをして、今までのファイルを捨てないと容量使い切るまで差分ファイルが増え続けてしまう。MobileMeに入らないと制限があるのもマイナス。ていうかMobileMe自体が★ひとつ。指定時刻になるとアクティブになるのもマイナス。ただ、気軽にネット上のサーバにバックアップ出来るのは評価したい。
Synk 5 ★★★★ 英語版でなければ…さして難しいわけでも無いがやはり日本語の方が安心感がある。バージョン6から機能によって3バージョンに別れた点はマイナス。また、バックアップ設定ファイルの保存パスに2バイトが含まれると、スケジュールが動作しない。スケジュールの指定時刻が1時間置きなのもマイナス。これだけマイナスがあっても★4つなのは逆に取ればそれだけいいソフトだから。
ChronoSync 4 ★★★★★ 体験版には一度に500ファイルの制限がある。他のソフトにも多いが、複数のソースフォルダを1セットに出来ない点はマイナス。場合により、いくつもセットを作らなければならない(実行は「コンテナ」に登録したセットをまとめて実行可能)。除外設定の「高度」でしかラベル除外が出来なく、しかも高度は少々難解(しかしHyBackupを使用していた人ならば同じような設定方法なので戸惑いも少ないかも。)その分設定は非常に細かく設定出来る。履歴に日付別フォルダを選べなく、旧ファイルはバージョン付きにリネームされてしまうのも人によってはマイナス点。NASをスリープから起こして自動でバックアップしてくれた事は感動。
Memeo LifeAgent 2 ★★★ 他にない常時監視によるリアルタイムバックアップが可能。除外設定が少ないのがマイナス。また削除したファイルを残すか、削除と同時に消去するかしか選べない事もマイナス。LeopardからはTime Machineが使えるので、すぐにバックアップしたい物は手動で作動させても良く、せっかくのユニークな機能なのに、これでは魅力を感じにくい。
○SuperDuper!(参考) --- クローンバックアップの評価が高いソフト。差分クローンをスケジュールバックアップでしか使っていないので評価せず。英語版なので慣れが必要。
○HyBackup(参考) --- 大量にファイルがある時に限るが、なにしろ遅い。それを除けば良く出来たソフト。多分もうサポート、開発終了?
○Personal Backup
(参考)
--- UIはいいのだが、あまり大した事は出来ない。それで十分ならば一応大きい会社だしいいかもしれない。日本語代理店がa○t2なのはな…と個人的に思ってしまう。
○SyncupX
(参考)
--- 少しだけ使って見た。履歴の保存も変更、削除された物だけ残せる。ただし英語版。Synk、ChronoSyncと比べるとどうだろう。

■ターミナルを使ったバックアップの確認方法

試用するにあたって、ちゃんとバックアップが取れてるか調べるにはターミナルからdiffコマンドを打つと分かりやすい。違うファイルを列挙してくれる。
diff -rq ソースフォルダのパス バックアップフォルダのパス(パスはお目当てのフォルダをドロップすればいい)

■indelibleが作る不可視のディレクトリ.indelible-infoの削除方法

HD変更などでバックアップしていたディレクトリなどをそのまま使いたい時、不可視で格納されている.indelible-infoは邪魔な存在。ターミナルからまとめて削除する場合を下に書き留めておきます。
find ターゲットディレクトリ -name .indelible-info -print -exec rm -dR {} ";"(パスはお目当てのフォルダをドロップすればいい。-printはなくても可)
アクセス権によって削除出来ない箇所がある時はsudoで実行。

■indelible 2(07.6.18 記載)

indelibleが2007/6/15、バージョン2にバージョンアップした。
1ユーザは無償で2へバージョンアップ出来る。
主な変更点は、スケジュール機能が細かく設定出来るようになった。またスリープや起動していない時に指定時刻が来ても、次ぎ起動した時にバックアップを取れるようになったことは個人使用では実用的で良い。
またバックアップに含める設定が追加。あると便利だが、使い道は少ない設定か?他いくつか追加、変更点がある。
インストールして少しいじってみた。相変わらずラベルによる除外、指定は出来ない。また以前もそうだったか分からないが、除外する名前にフォルダが選べない(ファイルしか選べない)。例えば「Cache」を含むフォルダと指定したくても出来ない。除外する親フォルダでそれらをひとつひとつ選択すれば除外することは可能だが手間がかかる。また親フォルダによる指定では通常、不可視のフォルダを選択出来ない。例えば.Trashなどのごみ箱を除外したい時、選択ダイアログに可視項目しか表示させてないので非常に困る。OnyxやTinkerToolなどでFinderの設定を不可視表示出来るようにし、ドラッグ&ドロップすることでごみ箱の除外は出来るようになる。
ネットワークボリュームがソースの時、ボリュームまるごとしか選択出来ないのはバグだろうか?
NAS経由のバックアップは未だマウントしていないとバックアップ出来ない。

■Time Machineのバックアップ間隔の変更

/System/Library/LaunchDaemons/com.apple.backupd-auto.plistの
<key>StartInterval</key>
<integer>3600</integer>の3600(秒)を変更する。
アクセス権により上書き出来ないので、他の場所へ保存したあと同上のファイルと置き換え、アクセス権を
root:読み/書き
wheel:読み出しのみ
everyone:読み出しのみ
に書き換える。
ターミナルで以下を打ち込み直接編集する方が楽。(3600を任意の数値に変更)
sudo defaults write /System/Library/LaunchDaemons/com.apple.backupd-auto StartInterval -int 3600
またTimeMachineEditorTimeMachineSchedulerというソフトで変更する事も出来る。特にTimeMachineEditorはスリープ解除時の挙動なども変更出来てお奨め。
これらソフトの使用や設定変更は何が起こるか分からないということを覚悟して自己責任で。

■Time Machineで必要のなくなったファイルを削除する(08.2.13 記載)

この項目のバックアップはもう必要ないなと判断した時、容量の節減のためにバックアップから削除したい時がある。以下その方法。
Time Machineを起動した後、当該フォルダ(ファイル)を選択し、Leopardの場合は「アクションメニュー(メニューバー上の歯車のアイコン)」から「すべての"○○○”のバックアップを削除」を選択後、キャンセルボタンで戻る。
上記項目はアクションメニューからしか選べないので注意。外している人はTime Machineを起動する前にメニューの「ツールバーをカスタマイズ」から選択しておく事を忘れないように。
Snow Leopardでは右クリック(control+クリック)からでも選ぶことが出来ます。

■Time Machineでの差分ファイルを表示する(12.2.2 記載)

Time Machineが、やけに大きいサイズをバックアップしていて、それが除外出来るものならば除外させたい時に、該当ファイルを確認する為に便利な timedog という Perl スクリプトがあります。
詳しくはこちらに→ぽんハウス BLOG: timedog - View files saved by Time Machine - Google Project Hosting

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