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愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター(松山市)の入舩徹男教授(高圧地球科学)らのグループは7日、ガラス素材に超高圧を加え、透光性の高いセラミックス「ナノ多結晶ガーネット」(NPG)を合成することに世界で初めて成功したと発表した。天然のガーネット(ざくろ石)と同等に透明なうえ、約30%硬いことから、今後はレーザーの光学部品や窓、宝石などへの応用が期待できるという。
入舩教授らによると、従来の透明セラミックスは通常微細な結晶粉末を、通常の大気圧下で焼き固める焼結法で作る。結晶のサイズをより小さくすることで透明性が向上するのではないかと予想されていたが、従来の焼結法では実現は困難だった。
入舩教授らは、直径5ミリの棒状ガラスに、10万気圧以上の超高圧と約1400度の高温を加える「超高圧合成法」を用い、直径4ミリ程度のNPGを合成することに成功した。
「新しいレーザーや光学素子、宝石への応用も可能になる」と入舩教授は新素材への期待を込めた。研究成果は7日付の英国科学誌「ネイチャー」のオンラインジャーナル「ネイチャーコミュニケーションズ」で発表した。