学生〜20代前半の若者にこそ読んでほしい、心動かされた名作小説10冊(文学編)

売れ筋、知名度には関係なく、主に10代後半〜20代前半に読んで心を動かされた小説を紹介します。

1. 楽しいムーミン一家 – トーベ・ヤンソン

新装版 たのしいムーミン一家 (講談社文庫)

新装版 たのしいムーミン一家 (講談社文庫)

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アニメのムーミンしか知らない人は、ぜひ手にとってください。

あのうすら寂しい、どこか心惹かれる世界観は、小説でこそ味わえるんです!

中学生の頃に、むさぼるように読んでいました。

2. カモメのジョナサン – リチャード・バック

かもめのジョナサン【完成版】(新潮文庫)

かもめのジョナサン【完成版】(新潮文庫)

リチャード・バック
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短い本です。文庫本で130ページ、文字も大きく、読書に慣れていない人でも読み切れるはずです。

いかに速く飛ぶか? を追求して異端扱いされたカモメの話。名作です。

3. ライ麦畑でつかまえて – サリンジャー

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

J.D.サリンジャー
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好き嫌いが分かれるサリンジャーの名作ですが、私は大好きです。

今で言えば、注意欠陥多動性障害(ADHD)でしょうか。

普通の集団生活にどうにも馴染めない少年が主人公。

行動や言動は支離滅裂、ムチャクチャなんだけれど、なぜか痛いほどにわかるんですよね。

4. カラマーゾフの兄弟 – ドストエフスキー

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

ドストエフスキー
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名著と名高いですが、これは本当に凄い小説です。

読んでいて、神経が昂ぶるというか、血圧が上がるというか。

最近の文章に慣れている人には、ちょっと読みにくいかもしれません。

が、慣れの問題なので(これ、本当)、本格的な文学が読みたいならば、絶対に読むべき。

5. 春琴抄 – 谷崎潤一郎

春琴抄(新潮文庫)

春琴抄(新潮文庫)

谷崎潤一郎
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谷崎潤一郎のエロティシズムは比類がないものです。

その中でも最高峰と言える名作が、この『春琴抄(しゅんきんしょう)』。

とある下男が、盲目の春琴に折檻され続けるという話です。

とは言え、エロティックなシーンが描写されているわけではありません。

直接書かないほうが、官能の世界は深まるんです。

文学の奥深さを感じずにはいられない一作。

6. 鏡子の家 – 三島由紀夫

鏡子の家 (新潮文庫 み 3-6)

鏡子の家 (新潮文庫 み 3-6)

三島 由紀夫
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鏡子の家に集った、4人の若者の話。

ひ弱な文学青年だった三島由紀夫が、ボディビルで体を筋肉で覆ったのは何故だったのか? 自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺したのはどうしてなのか?

4人の若者がそれぞれ意識し続けた対象と、迎える結末に、多くを考えさせられます。

三島由紀夫の小説なら、『仮面の告白』でも『金閣寺』でもなく、『鏡子の家』を読むべき。

7. 桜桃 – 太宰治

桜桃 (280円文庫)

桜桃 (280円文庫)

太宰治
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太宰治も、好き嫌いがはっきりわかれる作家です。

好きならこの短編集に満足できるし、嫌いならブチ切れて投げ捨ててしまえばいいと思います。

8. ノルウェイの森 – 村上春樹

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

村上 春樹
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累計1,000万部を超える、史上空前の大ベストセラー。

現代文学の金字塔。

ただ、本来、村上春樹の小説は、大衆ウケするような読みやすい文学ではないので、売れた事実はオマケみたいなもんだと思っています。

比類なき村上春樹の才能を認めずにはいられない、衝撃の小説でした。

9. さようなら、ギャングたち – 高橋源一郎

さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)

さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)

高橋 源一郎
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最後に二つ、ちょっと変わった小説を紹介します。

みなさんは小説というと、カッチリとしたストーリーがあって、それを順に追っていけば安心して物語が理解できると思っていませんか?

でも、そんなのは思い込みであって、別にルールが決まっているわけじゃないんです。

とても読みやすい小説です。

でも、一般的な意味では、理解不能です。

僕は大好きなんですけどね。

10. 一人の男が飛行機から飛び降りる – バリー・ユアグロー

一人の男が飛行機から飛び降りる (新潮文庫)

一人の男が飛行機から飛び降りる (新潮文庫)

バリー ユアグロー
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ショート・ショートという、文庫本2・3ページしかない短い物語の短編集です。

夢を見ているかのような、支離滅裂な話が、次から次へと出てきます。

でも、めちゃくちゃに書いていているのとは、どこかが違う。

今のところ、世界で一番好きな本です。

歴史の評価に耐えた、価値ある小説を読もう!

一般人が、平成後期や令和に出版された、新しい小説を読む理由はほとんどない、というのが持論です。

メジャーな題材は書き尽くされており、おもしろい物語の型も決まっています。

現代の世相を反映した小説が読みたい場合や、50年に一度の天才が出現した場合は話が別ですが、そうでなければ、わざわざ評価の定まっていない現代小説を読もうとするのは、よほどのマニアだけ。

実際、文学は、落語や歌舞伎と同じような、伝統芸能の枠組みに入りつつある、と言っても、それほど反対意見は出ないでしょう。

小説には、時代と共に古びてしまうものと、歴史の評価に耐えてますます価値を高める名作とあります。

過去の偉人たちがたくさんの名作を残しているのですから、これから何か読もうと考えているなら、まずは過去の名作を優先するのをおすすめします。

ただ一つ、過去の名作は、現代小説に比べると、読みにくいケースが多いのは、注意点です。

人によっては、『カラマーゾフの兄弟』なんかは、かなり読みにくいかもしれませんね。

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