第一次反抗期「魔の2歳児」とは?どんな特徴がある?どう対応する?

監修専門家 臨床心理士 佐藤 文昭
佐藤 文昭 おやこ心理相談室 室長。カリフォルニア臨床心理大学院臨床心理学研究科 臨床心理学専攻修士課程修了。米国臨床心理学修士(M.A in Clinical Psychology)。精神科病院・心療内科クリニ... 監修記事一覧へ

子供が2歳になった途端に、「お着替えイヤ」「靴履くのイヤ」となんでもかんでもイヤイヤされることがあります。これはまさに「魔の2歳児」と呼ばれる反抗期で、第一次反抗期ともいわれています。この第一次反抗期「魔の2歳児」とは何なのでしょうか?今回は2歳児の反抗期についてご紹介します。

第一次反抗期「魔の2歳児」とは?

2歳 反抗期 23235355

反抗期とは子供が心身ともに成長し、自我が芽生えることで反抗的になる時期のことです。

子供は生涯を通して2回反抗期を迎えるとされており、1歳半~2歳ごろから始まり4歳ごろに落ち着く第一次反抗期と、中学生ごろから始まり16歳ごろにおさまる第二次反抗期があります。

第一次反抗期は2歳のときにピークを迎えることが多く、自立心が強くなった子供が何に対しても「イヤ!」と反応することから「魔の2歳児」と呼ばれています。

第一次反抗期「魔の2歳児」の特徴は?

2歳 イヤイヤ 泣く 抱っこ

2歳になると、ある程度言葉が話せるようになり、自分の感情を言葉で表現しようとします。しかし感情をきちんと伝えられるほど言語能力が発達していないため、上手く親に自分の気持ちを伝えられません。

そうするとそのもどかしさがイライラに変わり、何に対しても拒否したり、抵抗したりするようになるのです。

この第一次反抗期の頃は、自立心が生まれ、自分一人でやりたいという欲求が高まる時期でもあります。しかしなかなか上手くできず、またイラ立ち、周りの大人に対して反抗的な態度をとるようになります。

つまり魔の2歳児の反抗的な態度は、「自分がしたいこと」と「自分ができること」のギャップから生じるフラストレーションによって引き起こされているといえます。

第一次反抗期「魔の2歳児」の対応策は?

3歳 成長記事 女の子 イヤイヤ

第一次反抗期への対応法はたくさんありますが、子供によって効果があるものとないものとがあります。以下の対応法からいくつか試してみて、有効な方法を見つけてみてください。

気持ちを代弁してあげる

自分の言葉ではなかなか伝えられない子供の気持ちを、親が察して代弁してあげましょう。例えば子供が積み木で家を作ろうとしたけど上手くいかず泣いていたら、「悔しいね」「家を作りたかったんだね」と子供が感じていることを代弁してあげます。

パパ・ママが自分の気持ちを理解してくれていると分かると、子供も満足し、次第に落ち着いていきます。

言葉の発達を促す

絵本を読んであげたり、分かりやすい言葉で話してあげたりして、子供自身の言葉の発達を促してあげるのも大切なことです。

子供も徐々に自分の気持ちを伝えられるようになり、フラストレーションが減れば拒否反応が少なくなっていきます。ただし、言葉の発達は個人差が大きいもの。焦りは禁物ですよ。

悲しそうに子供の拒否をいったん受け入れる

「お出かけイヤ!」と言われたら「じゃあ、お出かけは止めようか…」と反応し、「ご飯がイヤ!」と言われたら「○○くん・○○ちゃんが大きくなるように一生懸命作ったんだけどな…でも食べたくないなら片づけようか」と反応するなど、悲しそうにしつつ、いったん受け入れてみてください。

そうするとそんな親の反応を見て、拒否の態度を取り下げてくれることがあります。

もしこちらの提案を受け入れてくれたら、褒めるためにも「○○くん・○○ちゃんとお出かけ、楽しみ!」「○○くん・○○ちゃんがご飯食べてくれて、とっても嬉しいなあ」と幸せそうに反応してあげてくださいね。

時間が許す限り付き合う

2歳は何でも自分でやりたがる時期なので、ママやパパの時間が許す限り子供のしたいことに付き合ってあげましょう。

上手くできなくて癇癪(かんしゃく)を起こすこともありますが、子供が助けを求めてくるまで見守ってあげることが大切です。子供が自分ひとりでできることが増えれば、ママやパパも楽になりますよ。

注意を他のものにそらす

2歳児はコロコロ気が変わることが多いもの。それを上手く使って、子供の拒否反応を落ち着かせることができます。

例えば着替えを拒否されたら、「じゃあ、ちょっと絵本読もうか」「お人形さんで遊ぼうか」と他のことをさせると、乗り気じゃなかったことを忘れ、すんなり着替えてくれることがあります。

ママやパパも意地を張って無理やり子供にさせようとはせず、まずは子供が嫌がる内容から全く違う話題にすり替えてみてください。

癇癪を起したときは放っておく

癇癪を起して泣いたり暴れたりしているとき、子供の耳には何も入っていません。子供の安全を確保したうえで、放っておくこともひとつの方法です。ひとしきり暴れた後、すっきりしてケロッとしていることも多いものです。

外出先の場合は、暴れていると他の人の迷惑になることもあるので、抱っこして落ち着かせてみたり、人の少ない場所に移動してみたりしましょう。

第一次反抗期「魔の2歳児」は自立の第一歩

魔の2歳児と呼ばれる時期に差し掛かると、これまでママやパパとずっと一緒で、まだ自分というものが確立していなかった子供は、親の指示に対して「イヤ」と言って衝突することで「自分は親とは違う一人の人間である」と自覚していきます。

一方で、親と違う自分を自覚することで不安になり、親に甘えたい気持ちも生まれます。

この「自立したい気持ち」と「甘えたい気持ち」の間を行ったり来たりする体験が、この時期の子供の心の成長に必要なことなのです。

つまり子供にとって第一次反抗期は、大人の階段を上るための大切な儀式なのです。子供の成長を助けてあげるためにも、できる限り心に余裕を持って、子供の反抗期に付き合っていきたいものですね。

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