「貯蓄から投資へ」の流れを推進するべく、昨年1月に鳴り物入りでスタートした少額投資非課税制度(NISA)が、2年目を迎えた。しかし、すでに開設されたNISA口座のうち、実際に投資した人の割合は半分以下にとどまる。「笛を吹かずとも踊らず」と、証券関係者は現状を打ち明ける。激しい口座獲得合戦を繰り広げてきた証券業界だが、口座の稼働が高められないと「貯蓄から投資」も絵に描いた餅になりかねない。2年目は正念場の年になりそうだ。 ■口座の稼働はわずか45% NISAは年間100万円までの投資なら、株式、投資信託のの売却益や配当が非課税になる制度。ただ、2年目の現在、口座の稼働率でみると決して芳しい状況とはいえない。 「当初の想定よりも相当低いと言わざるを得ない」。日本証券業協会の稲野和利会長は1月の定例会見で、現状のNISA口座の低稼働率を認めた。日証協によると、NISAで開設した口座のうち、
