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  • SansAmp XB Driver

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    サンズアンプの究極モデル“XB DRIVER”を徹底試奏 by あきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES)

    • Photo: Hiroki Obara
    • Interview: Daisuke Ito
    • Product Description: Makoto Kawabe

    ベーシストにはおなじみと言える人気の機種SansAmp。その最新モデルとなるSansAmp XB DRIVERがリリースされた。TECH21がこれまでに開発してきたベース用ギアの特徴的な機能を一台にまとめた本機種は、“SansAmpの究極モデル”と言っても過言ではないだろう。この大注目のXB DRIVERを、THE ORAL CIGARETTESのベーシストである、あきらかにあきらが試奏。エフェクターにこだわりのある彼は、本機にどんな印象を持ったのか?

    あきらかにあきら SansAmp XB Driver

    SansAmp Bass Driver DIへの思い入れ

    最初に手に入れたエフェクターなので、今でも特別な思い入れがあります。

     そもそもSansAmpのBass Driver DIを普段から使っています。最初、ウチのバンドの山中(拓也)のアニキがバンドをやっていて、僕がベースを始めるタイミングでBass Driver DIを譲り受けたんです。それがたしか2009年頃ですね。SansAmpは自分にとって最初に手に入れたエフェクターなので、今でも特別な思い入れがあります。

     Bass Driver DIを使い始めた当初は、完全に音作りのメイン機として使っていて、基本となる音とちょっと激しめの歪みの音を使い分けていました。そのあとでスラップができるようになると、歪みは別のペダルにまかせて、スラップのための少しヌケの良い音を作るために使っていました。当時はスラップもヘタだったので、コンプのような感じの使い方でしたね。

    あきらかにあきら × SansAmp XB DRIVER
    写真左:SansAmp XB DRIVER、右:SansAmp Bass Driver DI

     僕にとってBass Driver DIで重要なのは、PRESENCEのツマミです。PRESENCEというツマミを初めて知ったのがBass Driver DIだったこともあって、すごく印象に残っています。このツマミを上げていくと、それまで聴こえてこなかった音が聴こえてくるので、自分の楽器の可能性を広げてくれるものだと思っていました。なので、最初の頃はPRESENCEを上げまくっていましたが、そうするとバンドのギターやヴォーカルとケンカするなぁと思うようになって、だんだんPRESENCEを控えたセッティングになりました。音作りの肝になるのはBASSとTREBLEですね。そのへんをちょっと上げたドンシャリ気味のセッティングで鳴らしていました。

     今はBass Driver DIを2台使っています。1台はタッピングのときのヌケの良い歪みを得るためのペダルとして、もう1台はDIとして使っています。DIはVINTAGE FACE MONOSASHIも使っていますが、それだけだとあまりライヴ感が出ないので、PA側に送る信号をひとつ追加し、Bass Driver DIで歪みを足して送って、PAコンソールで混ぜています。このペダルは本当にいろんな音が出せるので、ベースを始めた頃から今までずっと、僕のエフェクター・ラックのなかで活躍しています。

    XB DRIVERを試奏してみて

    あきらかにあきら × SansAmp XB DRIVER

    DRIVEのツマミでみんなが思い描くサンズっぽいドライブが得られますね。

     このXB DRIVERのツマミは、どれも効きがすごくわかりやすいですね。クリーンのチャンネルは補正向きという印象です。今回試奏に使ったベースだと、少しローを持ち上げたかったのでBASSを上げて、それにともなってボヤける帯域をミドルのパラメトリックEQでカットしました。カット方向だとより明確な効果が得られましたね。トレブルもポイントが高すぎず、良いところに効いてくれます。コンプもわかりやすくて、アタックが引っこまずにグッと前に出るので、スラップだとパーカッシヴなニュアンスが出せますね。コンプはツマミひとつという潔さも良いですし、使いやすいです。

     ドライブ・チャンネルのEQはクリーンと同じで良く効く印象です。DRIVEのツマミを上げると高域が持ち上がりながら歪むので、かなり過激な音も作れます。このツマミでみんなが思い描くサンズっぽいドライブが得られますね。EQで補正すれば音ヤセのない太い歪みが出せます。BITEスイッチを押すことで、名前の通りにザラっとした高域が得られます。このスイッチを使うことで、僕が普段Bass Driver DIで作っているタッピング専用の歪みも再現できました。

     SansAmp XB DRIVER
    BITEスイッチ

    MIXモードにすることで、音色の混ぜ方にバリエーションを出せます。

     この機種の売りのひとつが、クリーンと歪みを混ぜるMIXモード。このモードにすることで、ロー・パス・フィルターとハイ・パス・フィルターを駆動することができるので、音色の混ぜ方にバリエーションを出せます。僕が触ってみた感じだと、おもに低域の調整ができる印象でした。このMIXモードだったらクリーン・チャンネルでまず太めのサウンドを作って、ドライブ・チャンネルで中~高域を主体にした過激な歪み音にして、フィルターを使ってミックスするような使い方がいいんじゃないでしょうか。そうすることで、低音の図太さと噛みつき感のある歪みが両立した、迫力のある音を出すことができました。

     あと、ほかの部分で好印象だったのはクリーンと歪みの両方にLEVELツマミがあることで、切り替えたときの音量差をなくせることですね。両方のチャンネルを合わせたマスター・ヴォリュームも装備しているので、各チャンネルのセッティングが終わってから最終的な音量を簡単に調整できるのも嬉しいですね。

    SansAmpの最新モデルという風に捉えれば、その進化の度合いに驚きました。

     総じてどのツマミも“元気”な感じがしました。ツマミを少し動かしただけでガラっと音が変わるので狙った音が作りやすい。ただ、敏感なぶん移動時には位置をマーキングするなどの注意も必要だと思います。僕がこれまで愛用していたのが初期のBass Driver DIということもありますが、SansAmpってやれることはたくさんあるけど、足りないかなと感じるところがあり、1台では成り立たないことも多いのが正直な印象。

     だけど、このXB DRIVERなら本当に1台で完結できると思いました。特にクリーンはかなり音を追い込めるから、宅録でも重宝すると思います。それに加えて歪みチャンネル、そしてミックス機能もあるので、少し乱暴な言い方をすればこれ1台で3台分の役割が果たせますね。SansAmpの最新モデルという風に捉えれば、その進化の度合いに驚きました。僕のようなSansAmpが大好きなベーシストには一度、試してもらいたいですね。

    ACE BASS / AB-4 STD
    今回、あきらかにあきらが試奏に使用したベースは、自身が立ち上げたベース・ブランド”ACE BASS”のAB-4 STD。自身が使用しているAB-5 PROをもとに、“多くの人に手にとってもらいたい”という想いからコストダウンをしたエントリー・モデルであるが、ボディ・デザインやサウンドはもちろん、楽器の重量など細部まで彼のこだわりが詰まった一本となっている。
    https://www.ace-bass.com/

    Profile
    あきらかにあきら●1991年3月28日生まれ奈良県出身。THE ORAL CIGARETTESのベーシスト。バンドのサウンド・キャラクターのひとつと言える、テクニカルかつオリジナリティ溢れるベース・プレイが特徴。バンドは1月に新作アルバム、『AlterGeist0000』をリリースしたばかりだ。また不定期ではあるがベーシストのためのセミナー「あきらかにあきらベース塾」を開催し、後進の育成にも尽力している。
    Official Site

    TECH21 SansAmp XB DRIVER

    TECH21の歴史と技術をひとつにしたSansAmpの究極モデル

    SansAmp XB DRIVER

     ベース用プリアンプDIの超定番モデルSansAmp Bass Driver DI、通称サンズアンプの生みの親であるTECH21からリリースされたSansAmp XB DRIVERは、従来モデルであるBass Driver DI、Para Driver DI、Q\Strip、dUg Pinnick Ultra Bass 1000の各機能を集約し、ベースの音作りをするうえで不可欠なEQ、コンプ、ドライブ、キャビネット・シミュレーションなどの機能を網羅する複合型エフェクターだ。デジタル回路に依存しない純アナログ回路で構成されており、TECH21がこれまで30年以上に渡り手がけてきたベース用機器の集大成となる超大作と言えるだろう。

    SansAmp XB Driver

     本機の基本構造はクリーン/ドライブの2チャンネル構成で、両チャンネルともにミドル周波数可変の3バンド・セミパラメトリックEQを備えたプリアンプDIペダルだ。クリーン・チャンネルはFETタイプのコンプとQ\Strip譲りのバッファー回路により、音楽的なダイナミクスを保ちつつワイドレンジで、透明度が高く艶やかな音色が魅力だ。ドライブ・チャンネルは楽器からアンプを経てスピーカーに至るまでの信号経路における音色変化をエミュレートした“SansAmp Emulation”回路によるリアルな音色が魅力で、超高音域をブーストするBITEスイッチや、ミドルEQが機能する位置をドライブ段の前後で選択するPRE/POSTスイッチを併用することで、歪みのニュアンスを大幅に変更することも可能だ。

     各チャンネルは独立でもミックスでも使うことができ、ミックスを選択時にクロスオーバー・スイッチ(矢印のグラフィック)をオンにするとクリーンのLPFとドライブのHPFが有効になり、各チャンネルの周波数帯域を分離させることができる。

    SansAmp XB DRIVER

     入出力端子も大変充実しており、グラウンド・リフト機能付きのXLR DIアウト、センド/リターン、チューナー・アウトを装備している。なお、バッファード・バイパスでエフェクト全体をオン/オフできるが、ミュート機能は装備していない。電源は外部供給によるDC18Vのみで駆動するので、DC18Vで250mA以上を出力できる電源アダプターを用意しよう。

    公式製品ページはこちら

    ※本記事は『ベース・マガジン2025年2月号』のコンテンツをWEB用に再構成したものです。

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