古畑任三郎のストーリー展開に学ぶブログの書き方

ブログ技術

※今回のエントリは田村正和の声で脳内再生していただけると普通に読むより1.3倍くらい面白くなるかもしれません。

えー、皆さん。テレビドラマ「古畑任三郎」。ご存知ですね。それまでになかったスタイルで大変高い人気を博したテレビドラマです。どうしてあのドラマには視聴者の心を惹きこむ力があったのか。今回はそれを通じてブログの書き方を考えます。ヒントは「順序」「フリとオチ」そして「本当の結論」

eyecatch014.png

話の順序とは何か

番組本編をごらんになった方は当然ご存知かと思いますが、古畑任三郎のストーリー進行はこんな感じです。ざっとおさらいしてみましょう。こんな感じです、ハイ。

  1. 古畑任三郎が登場してその回のヒントになる話をほんのちょっとだけする
  2. (オープニングタイトル)
  3. 被害者・加害者が登場し犯行が行われる
  4. 捜査開始。捜査の過程で犯行のディティールが明らかになってくる
  5. 解決編の前に古畑がさらに視聴者に向けてヒントを出す
  6. 解決編で話の核となる部分(動機やトリック)が明らかになる

エピソードによって多少の差異はあるものの概ねこのような形であることに異論はないでしょう。さて、いいですか?この流れ、結果の部分を最初に明らかにしてます。最後じゃないんです。そして後からそこに至る過程を述べているのです。

普通、物語と言うのは川の水が上流から下流に流れるように、始めから終わりに向けて順序だてて進むものです。だから一番初めに結果がわかってしまったら面白くもなんともないんじゃないか?そう思われますか?いいえ、そんなことはありません。これが古畑任三郎のストーリー展開の巧妙なところで「起こった事実の結果部分」と「お話としてのオチ」はまったくの別物であると言うことに気づくと思います。

③の犯行描写は「起こった事実の結果部分」ですがストーリー全体としては①のヒントとあわせて「前フリ」に過ぎないのです。一見結論に見えるますが本当は結論じゃないんです。印象に残る端的なヒント、そして結果はわかっていながら「どうしてそのような結果になるの?不思議!」と疑問を抱かせることで最初の時点で視聴者の興味をグイグイ引張っていくのです。

こうすることで視聴者は無意識ながら擬似的に古畑の立場に自分を重ね積極的に④「捜査」をします。ここが重要なところですが、視聴者は一方的に映像や台詞を押し付けられるのではない、というところです。自ら率先してドラマに「参加」しているのです。だから⑤⑥解決編で「あぁスッキリ!」となるわけです。

上手な誘導方法をマネしてみよう

同じような手法はブログで長文エントリを書くにあたって大変参考になるんです。参考というより「そのまんまパクって使える」と言ったほうが正しいかもしれません。えー、先ほどのストーリー進行、もう少し整理してこんな風に書き換えてみましょう。

  1. タイトルでテーマと結果を端的に明示する
  2. いちばん最初の一段落で話の筋を読み手にぼんやりとイメージさせる
  3. テーマと言うのがどのような課題・問題点を含んでいるのか詳細に説明する
  4. 課題を解決するための手法を紹介する
  5. それによって読み手に発生するであろう利益が明確になる

いかがですか?一般的なブログの表示方法に従って書き換えてみたので古畑の場合とは導入部分の結論とヒントの振り方の順序が逆転していますが、それ以外はほぼ同じ流れです。

①で興味をひきつけ(いわゆる「タイトル釣り」)、②で話の内容を読み手に想像させます。読み手を受動的な立場から能動的な立場に変換させて「最後まで読みたい」と思わせることが目的なんです。だからその想像がこのあと実際に書かれている内容と必ずしも合致するかどうかはこの部分ではそんなに重要ではないんです。

③から④にかけて行っているのが「問題」と「解決方法」の提示です。ここでは抽象論ではなく具体的であればあるほど良いでしょう。問題はリアリティのある話のほうが読み手は感情移入しやすいんです。解決方法はソースが明示的にリンクされているほうが即効性が高いんです。

そしてその情報があることがいかに役に立ったかと言うことを⑤で述べることで、読み手はすっきりと納得するんです。これが完璧に上手く行くと最後まで一気に読まれて「あぁこのエントリ読んでよかったわー。よかったわー。」と2回言ってくれるわけです。

もう一つ注目すべきことがあります。これです。古畑任三郎のストーリー展開がこういう形だと言うことが無意識のうちに周知されているので、一度見て面白いと思ったらまた次回も見たくなる、ということです。必ずしも毎回同じスタイルでエントリを書く必要はありませんが、ある程度自分なりの「王道の書き方」のようなものを確立して一定の評価が得られれば、そのブログ全体としてのリピーター率も自ずと上がってくるということです。つまり見せ方が2重構造になっていると言うことです。良く考えましたね、フフフ。

以前のエントリ「ブログが書けずに悩んでいる人がネタをどう収集するか、というお話」でネタ収集の方法を紹介しましたが、今回はその素材をいかに料理するかと言うお話でした。いくらいいネタを拾ってきても途中で離脱されるダメエントリになるか、最後まできちっと読まれる良エントリになるかはあなたの料理の仕方次第というわけで。

えー、単発で面白いエントリを書く人は大勢います。また、自分流の書き方にこだわるあまり良いネタを持ちながらもなかなか読まれないエントリを書く人も大勢います。ですがいつも安定した書き方で高PVをたたきだす良エントリをずっと書き続けられる人となると、そうはいるもんじゃありません。

もちろんどんなネタでもこの手法が通用するわけではありません。鮮度とインパクト重視でキャプチャ画像と一言コメントの短文エントリほうが抜群に面白くなったりすることもあります。しかし、しかしですね、ひとつの例示として「こんな方法もある」ということをぜひおぼえておいてください。シェアしたい情報の見せ方について悩んだときには参考になることもあるでしょう。

このエントリの「解決編」

いわゆる刑事もののテレビドラマでは同じ手法を用いた番組は他にもたくさんあると思いますが、皆さんご存知のメジャーなとこ ろで古畑任三郎をネタに考えてみました。つまりこれが今回のエントリで言う①の「タイトル釣り」というわけです。

はい、ここまで読んでいただいたらもうお分かりですね?そう今回のエントリの本当の結論です。

「ただちょっと古畑任三郎のマネしてなんか言ってみたかった」

以上、古畑でした。うそです。ゴロドクでした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました
pFad - Phonifier reborn

Pfad - The Proxy pFad of © 2024 Garber Painting. All rights reserved.

Note: This service is not intended for secure transactions such as banking, social media, email, or purchasing. Use at your own risk. We assume no liability whatsoever for broken pages.


Alternative Proxies:

Alternative Proxy

pFad Proxy

pFad v3 Proxy

pFad v4 Proxy