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小泉今日子さん「ホントのコイズミさん NARRATIVE」インタビュー 大人は堂々と立ってこそ

小泉今日子さん

 今一番したいことを問われると「山積みの本しかない牢獄のようなところに閉じ込められたい」と答えるほど本好きだ。2021年から2年半にわたり120回、パーソナリティーを務めたポッドキャスト番組「ホントのコイズミさん」では本をテーマに75人のゲストと語り合い、22の書店を訪ねた。「最近、独立系の個性的な本屋さんが増えてきているのはいいなあと思っていて」

 番組と連動し同名の書籍もシリーズで刊行。3冊目となる本書には、脚本家の宮藤官九郎さんら5人のゲストとの対話を収めた。「活字で読むのと耳で聞くのとでは心に引っかかるものが違う」と考え、ゲストの哲学者の永井玲衣さんらと「哲学対話」を行うなど、本ならではの企画も入れた。「これまでとはちょっと違う目線で世の中を見てみよう、と。より自由になれた気がします」

 本にまつわるこれらの活動には、誰かの心の扉を開けたい、とくに居場所がないと感じている若い人たちの心に届けたいという思いがある。「今は堂々と立っている大人が少ないと思う。私は自分の好きなものを公言し、自分の人生を楽しんでいる大人像をもっと見せたい」

 芸能界デビューから42年。若い頃、コンサートツアーには必ず本と辞書を持って行った。宿泊中のホテルや移動中に本を読み、気になる言葉をノートに書き出して、遊び感覚で辞書で調べた。書くことも好きで書評、エッセーへの評価は高い。

 近年は歌手、俳優だけでなく、舞台や映画制作などのプロデューサーとしての活動も忙しい。「これまでの芸能界のルールの中では絶対に出来ないことをやってみたい」と所属事務所から独立して6年。やりたいことを着々と実行してきたという。「やはり個人でちゃんと立ってこそできるものがあると思っています」(文・林るみ 写真・外山俊樹)=朝日新聞2024年3月16日掲載

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