9万坪の土地を取得する大プロジェクト
東京地検特捜部は1月17日、太陽光発電などを手がける投資会社「トライベイキャピタル」(東京都千代田区)などを突然家宅捜索した。同社は衆議院第一議員会館の目の前のビルに本社を置く。同じフロアに「山猫総合研究所」という会社が入居しているが、この会社で代表を務めるのは政治学者・三浦瑠麗氏だ。
三浦瑠麗氏の夫・三浦清志氏が社長を務めるトライベイキャピタルは、なぜ特捜部にガサ入れされたのか。同社が太陽光発電投資でトラブルになり、民事訴訟が起こったことをきっかけに、この捜査は始まった。いったい三浦夫妻に何が起こっているのか?
「現代ビジネス」は2つの訴訟資料を独占入手し、トライベイキャピタルの関係者からも重要な証言を得た。
民事訴訟になっているのは、トライベイキャピタルのSPC(特別目的会社)である「STC3」が計画した太陽光発電投資物件に関するものだ。兵庫県福崎町にある約9万坪の土地の大半を取得して、発電出力2万KWの施設を建設するプロジェクトだった。
トライベイキャピタルは、建設計画と同時に投資を平行して募っていた。ここにトライベイキャピタル側に10億円の投資をしたのは、不動産会社・マーキス(東京都千代田区)。
同社社長でもある税所篤氏が経営する投資会社のメタキャピタル(東京都港区)も投資に関与している模様だ。このメタキャピタルは、役員としてソニーの元最高経営責任者・出井伸之氏(故人)が名を連ねていたことでも知られ、顧問には元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士の名がある。
2021年6月2日から東京地裁で始まった裁判資料によれば、2019年1月頃、三浦清志氏は、税所氏に福崎町の太陽光発電プロジェクトに10億円の投資を求めてきた。実際、2019年6月にSTC3名義の銀行口座に10億円が振り込まれ、「兵庫県福崎太陽光発電プロジェクトに関する売買及び開発契約書」が交わされた。