モディ率いるBJPの3連勝が確実視
インド連邦下院総選挙が進行中だ。昨年総人口が中国を抜いて世界1位になっただけに、有権者数も9億6800万人とケタ違いに多い。まさに「世界最大の民主主義」である。
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投票は4月19日から7回に分けて行われ、6月4日に一斉開票される。規模が規模だけに開票に時間がかかりそうなものだが、紙の投票用紙ではなくEVMという電子投票機が全国で導入されており、開票日の日中には大勢が判明する。
しかし、今回は選挙前から「大勢が判明」しているかのような報道がインドでは目立っている。インド人民党(BJP)主導の与党連合・国民民主同盟(NDA)が大勝する見込みで、ナレンドラ・モディ首相の3期目入りは確実、というのだ。総議席543のうち、BJP単独でも過半数を大きく上回るとも見られている。
すでに「モディ3.0」を前提に話が進み、中には将来の「ポスト・モディ」をめぐる話題すら出ているほどだ。
筆者もこうした予測はおおむね現実的だと見ている。ではインド総選挙の見通しを論じる意味はもはやないかと言えば、そうではない。「モディ3選」は既定路線としても、今後のインドの行く末を見きわめる上で重要な要素がいくつも含まれているからだ。