自民党が「解散総選挙」で大敗北する可能性
自民党総裁選が事実上、スタートした。自民党ならではの「危機に瀕した際のサバイバル術」を基に考えれば、現時点では、高市早苗経済安保担当相と小泉進次郎元環境相、それに小林鷹之前経済安保担当相の3人を軸にした戦いになるのではないか。
最初に出馬を表明した小林氏に続いて、高市氏や石破茂元幹事長も近く出馬を表明する方向で調整している、という。
小泉氏も出馬の意向を固めている。出馬を目指す候補は、全部で11人とも12人とも言われ、これまでにない乱戦模様だ。
総裁選は言うまでもなく、自民党員と当所属の国会議員が選ぶ選挙であり、一般の国民には投票権がない。したがって、国民に人気のある候補が選ばれるとは限らず、あくまで自民党員が「この人」と思う候補が当選する。ときに、国民の民意とはズレた総裁が誕生するのは、そのためだ。
しかし、今回は事情が異なる。
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岸田文雄政権の人気は地に落ちた状態で、このまま国民の意向とかけ離れた候補が総裁になれば、近く予想される解散・総選挙で国民の信頼を失い、下手をすれば、政権から転落する可能性さえ現実味を帯びている。「そんな事態にはならない」と考えるのは甘い。
暗殺された安倍晋三首相がよく口にしていた言葉だが、「自民党は3割の保守岩盤層に支えられている」と言われている。この3割さえ押さえていれば、左翼勢力が分裂している限り、絶対に選挙で負けることはない、という見立てだ。