本の中には、たくさんのインタビューなども含まれていますが、医学論文などもよく読み込んでまとめられており、医学総説(Review)のような構成になっている。それが、この本を読んだ私の印象です。 本書にも書かれていますが、これには思春期の女性特有の不安定さが重要な要因として存在し、それを解消する一つの手段として「トランスジェンダーが用いられた」と考えられます。 実は、似たような現象が以前にもありました。この本の中でも少し触れられていますが、いわゆる1980年代後半から1990年代に多発した「偽の記憶事件」や「偽りの記憶事件」と呼ばれたものです。この時は、患者の抱える精神的な問題の要因は過去の虐待経