【追記】「それって椎名林檎グッズ!?」と突然の声かけ 「恐れていたことが…」ヘルプマークを付ける高校生が切実な訴え「どうかデザインの再考を」

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

シンガーソングライター、椎名林檎さんの新作の特典グッズのデザインが、援助や配慮を必要とする人がそのことを周囲の方に知らせることができるマーク「ヘルプマーク」に酷似しているとして、大きな問題となっている。「ヘルプマーク」を管理する東京都が、発売元のレコード会社に対し、グッズの取り扱いなどについての対応を要請。現在、椎名さん側の対応が待たれている。

(※10月18日に所属レコード会社より、特典グッズのデザイン改訂と新作リミックスアルバム「百薬の長」の発売延期が発表された)

そんななか、早くも「ヘルプマーク」のユーザーに影響が出始めている。

「『それって椎名林檎のグッズですか?!』と、見知らぬ方に突然声をかけられました。僕はヘルプマークだとお伝えしました。正直、ヘルプマークがヘルプマークとして機能しないのは僕たち支援を必要とする人にとって命取りです。どうかデザインのご再考を」

そうツイートしたのは、「ヘルプマーク」のユーザー、アメノチ アヤメ(@ame_ayame_)さん。現在、高校1年生だというアメノチ アヤメさんは、外見からはわかりにくい精神疾患を抱えている。見知らぬ人物から「グッズ」と誤解されたという今回の経験について、アメノチ アヤメさんに話を聞いた。

突然声をかけられたらパニックを起こすかも…

今回のアメノチ アヤメさんのツイートに対し、同じく「ヘルプマーク」のユーザーからも多くの困惑の声が寄せられた。

「ヘルプマークの認知度もあんまり高くないのに、グッズ扱い…」
「間違われたらどうしようって毎日ビクビクしてます…」
「(ヘルプマークの)知名度が上がったからいいという声もありますが、悪評からの知名度は、ただただマイナスだし、本当に無意味な存在になりかねないです」
「知的な障害があり、人との接触が苦手な息子もヘルプマークをつけていますが、同じような声かけを突然されたらパニックを起こしてしまうかもしれません」

「赤十字マーク」のデザイン使用は原則、禁止

多くのファンやリスナーにとって、椎名林檎さんの音楽や生き様が、サプリや薬のように心の癒しや生きる支えになっているのは事実だ。そのことを、『百薬の長』という新作の特典デザインやロゴでも表現したい、という主旨だったのではないかと推測できる。

歌い手として活動するアメノチ アヤメさんも、音楽を愛する1人として、「椎名林檎さんを責めるつもりは全くありませんし、ファンの方のお気持ちには共感できると思います」と話してくれた。

だが今回のデザイン問題に関しては、「ヘルプマーク」に酷似したグッズの他にも、白地に「赤十字」が使用されたマスクケースというものもある。「ジュネーブ条約」および「赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律」により、使用方法などが厳格に定められている「赤十字」が使用されていること自体が大きな問題となっている。

心ないリプライも悪影響のひとつ

また、今回のアメノチ アヤメさんのツイートに対し、「実話なのか?」といった疑いの声をかける人や、「まあ100歩ゆずって実話だとしても、リンゴマークですらない赤いハートの札を見て自動的に椎名林檎グッズと関連づけてくる人は、絶対ネットの炎上で既に一連の騒動を知ってるやつだろう笑」と、悪意ある声をぶつける人も現れた。

だが、アメノチ アヤメさんはそんなリプライに対しても、「ヘルプマークをつけていても『グッズだ』と認識されて助けてもらえないことは、発作が起きた時などにかなり危険で、命取りになりかねないのです」「(椎名林檎さんを)叩こうとしているわけではないのです。これを目にした方に、・こういう実害があって、困っている人が身近にいるかもしれない。・ヘルプマークに類似したグッズがあるから、特に気をつけて見てほしい。ということをお伝えしたかった迄です」と、誠意ある言葉で返信。精神疾患を持つ高校1年生にとって、それ自体が大きな負担であることは容易に想像がつくだろう。

「支援を必要とする人にとって命取りです。どうかデザインのご再考を」と、切実なメッセージを投稿したアメノチ アヤメさんに詳しくお話を聞いた。

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