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国の火山噴火予知連絡会は20日、定例会合を開き、全国の活火山の活動状況を評価した。噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)の箱根山(箱根町)については「2015年以降、大涌谷周辺で活発な噴気活動がみられており、土砂の噴出を伴うごく小規模な火山ガスなどの噴出現象が発生する可能性がある」などとする見解をまとめた。
箱根山では今年5月上旬に一時的に微小な火山性地震が増加したが、予知連は「地震活動は低調で、顕著な地殻変動は観測されていない」と分析。ただ、依然として大涌谷の斜面から噴き出す蒸気の勢いは弱まっておらず、気象庁は「噴気や火山ガスに引き続き注意を」と呼び掛けている。
この日の噴火予知連では、藤井敏嗣東大名誉教授が会長を退任し、新会長に石原和弘京都大名誉教授が選ばれた。
また、男体山(栃木県)が活火山に追加されることになり、全国の活火山数は計111となった。男体山では最新の噴火が約7千年前だったことを示す研究成果が出され、「おおむね1万年以内に噴火した火山」という活火山の定義に該当することが分かった。現在の火山活動は静穏で、噴火の兆候は認められないという。