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ビタミンDサプリと牛乳を一緒に摂らない理由
ビタミンDがコ○ナの感染(PCR陽性)、重症化、死亡をいずれも減らすことが多くの研究で明らかになってきている。
とてもわかりやすくまとめてくださった動画がこちらだ。
ただし、ビタミンDサプリの摂り方で一つ確認しておきたいことがある。
私がビタミンDサプリを紹介した人が時々、
「牛乳と一緒に飲んでました」
と言うのを聞いて絶句することがある。
私は何度も
『ビタミンDサプリは味噌汁と一緒に』
『「ビタミンDと味噌汁」を摂りましょう』
と言っている。
牛乳は味噌汁ではない。
それは誰でも知っているはずだ。
なぜビタミンDと牛乳を一緒に摂りたくなるのか?
それはいくつかの思い込みによると考えられる。
思い込み①ビタミンDは身体のカルシウムを増やすために飲むと思っている。
思い込み②カルシウムを増やすことは身体によいと思っている。
思い込み①について。
ビタミンDを増やす目的は、全身の細胞の正常な分化や機能発揮を促すためだ。カルシウムを増やすためではない。
確かにビタミンDは、身体のというか血液中のカルシウムを増やす作用がある。腸粘膜のカルシウム吸収と腎臓のカルシウム再吸収を促す。
しかしカルシウム血中濃度が上がることは、ビタミンDサプリを飲む目的ではない。実際にはビタミンKやカルシトニンなどが働いてカルシウム血中濃度は一定に保たれる。しかしビタミンK欠乏などの場合、もしカルシウム血中濃度が上がってしまうとそれは高カルシウム血症というビタミンDの唯一とも言える副作用につながりかねない。
ビタミンDサプリ1日1万IU以下では報告はないが、もし高カルシウム血症になれば倦怠感や吐き気、長期的には腎障害、ひどい場合は不整脈(頻脈)に繋がる。(それらは全てビタミンD過剰ではなく高カルシウム血症の弊害だ)
正確にはビタミンDは、カルシウムを増やすのではなくCa・P/Mg比を上げる作用がある。(マグネシウムに対してカルシウムとリンを上げる)
ビタミンDの吸収や活性化にはマグネシウムを必要とし、カルシウムが多いと逆に吸収・活性化されにくくなる。
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牛乳はカルシウムがとても(11倍も)多く、マグネシウムは少ない。つまりビタミンDを吸収・活性化されにくくしてしまう。そしてビタミンDサプリに関わらず高カルシウム血症を起こしやすくする。
味噌の主成分である大豆はマグネシウムが最も多い食品の一つだ。出汁や具材になる海草類や煮干し・青菜類もマグネシウムとビタミンKを豊富に含む。ビタミンKはカルシウムを骨に使い血液のカルシウムを下げるために必要だ。
味噌の乳酸菌もビタミンD吸収を助けてくれる。
思い込み②について。
そもそもカルシウムを増やすことが現代人にとって身体によいとは言えない。
「カルシウムを摂りましょう」は「コレステロールを下げましょう」同様、医学界(≒製薬業界)とメディアによるデマ、と言って悪ければ大間違いの一つと私は考える。
確かにカルシウムは必要なミネラルだ。しかしカルシウムはマグネシウムやリンとバランスをとってこそ有効に使われる。現代人の食生活で不足しがちなのはむしろマグネシウムであり、カルシウムは相対的に過剰になりがちだ。その原因こそ牛乳である。
カルシウムパラドックスと言い、ブルガリアなど牛乳消費量が多くカルシウム摂取量の多い国ほど骨粗しょう症が多いことが報告されている。
カルシウムが多くてマグネシウムが少なすぎると骨が脆くなるのだ。
さらにCa/Mg比が高いと動脈硬化の原因にもなる。石灰化といって過剰なカルシウムが血管に沈着するのだ。カルシウムは大切だが、そればかり多いのは危険だ。
(👇白く光っているのがカルシウム沈着=石灰化した血管)
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味噌汁に含まれる大豆や煮干しや鰹節や青菜類は、カルシウムとリンとマグネシウムのバランスがよく、ビタミンKも含むことからカルシウム血中濃度が上がりすぎることを防ぐ。言うなればカルシウムの使い方が上手くなるのだ。
ご理解頂けただろうか?
だからビタミンDには味噌汁なのだ!
単に日本人だから和食推しとかで言ってるわけではないのだ!
それなのに
「牛乳は?」
「ヨーグルトは?」
「スポドリは?」
そう尋ねてくる人の何と多いことだろう?
一つも味噌汁じゃないから!
味噌汁つってんだろ!
なんで味噌汁じゃダメなんだ?
欧米か⁈
いやキレてないよ。
これはRCTで確認されたわけでもなく、論理と経験に基づく単なる私の意見だ。押し付ける気はない。
それでも上記の理由で、あえて感情をこめて強調した。
ビタミンDサプリは味噌汁と飲むべし。
牛乳とは飲むべからず。
作るのめんどくさければお助け味噌汁(かちゅ湯)で十分だし、インスタント味噌汁でも砂糖水や牛乳よりはるかにマシだ。
尚、ビタミンD摂取量に関しては各自が安心できる量でよい。
私はコスパから1日5000IU一粒で、減らしたければ週6日〜1日おきがよいと思うが、こだわりはない。
細かい投与量別の比較研究はなく、日光浴や食事で必要量は異なり、年齢・腸内環境などで吸収率・利用率がかなり違うから細かく決めても意味がないのだ。厳密には時々25(OH)D血中濃度を測るしかない。
そして何より、ビタミンDに限らず、サプリメントは心と体の調子に与える効果を確認しながら(時々やめてみながら)使うことが大切であると私は考える。