フォント作成サイトPaintfont.com(改め、Calligraphr)を使って自作手書きフォントを作った

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【筆者注】
以下の記事で紹介されているPaintfont.comというサイトは、現在リニューアルされてCalligraphrというサイトに刷新されています。
フォントの作成方法はPaintfont.comとCalligraphrで共通する部分もあるのですが、Calligraphrでは無料で作成可能な文字数が75文字に制限されていますのでその点ご了承ください。
Calligraphrでのフォントの作成方法については、後日にYouTubeで動画を公開しましたので、もしご興味ありましたらこちらも見ていただけたら嬉しいです。

以下はリニューアル前の記事となりますが、ご参考にしていただければ嬉しいです。

結果から言うと、こんな感じのフォントができました。

最近『新フォント作成日記』の更新が滞っていますが、まとまった時間がなかなか取れないからであって、決しておサボりしてるわけでは…!わけでは…!(・∀・)

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た、短時間でサクッとできること、ないかな?

ってなわけで、あまり時間が取れない今日このごろ、いい機会なので少し前にネットで記事を見かけて気になっていた、海外のPaintfont.comというサイトを使って、サクッと手書きのフォント作りをしてみようと思います。

Paintfont.comは、作りたい文字を指定すれば、文字を記入するためのテンプレートを作成してくれ、さらにそのテンプレートに書き込んだ文字をアップロードすれば、自動的にフォント化してくれる、夢のようなサイトです。

フォントを作成する時に結構な手間暇がかかる作業の中には、文字をスキャンしてフォント作成用のソフトに一文字ずつ貼り付ける作業などもあります。

しかし、このサイトを使えば、その辺の煩わしい作業を一括で解決してくれそうです。これはかなりの省力化。

しかもこいつ…漢字入りもイケそうだぞ…!(・∀・)

よろしい、ならばフォント化だ!『走れメロス』の手書きフォント化に挑戦

折角なので何かの文章に仕上がったほうが楽しいな!ということで、フォントのお手本として太宰治『走れメロス』をチョイスしました。

『メロス』を選んだ理由としては、まず著作権的にOKなところと、それなりのテキスト量があるので全体を確認するのに適している点。難しい漢字も易しい漢字も適度に混ざっていて、文章も口語体で読みやすい。話の内容も突っ込みどころ満載。大好きです。

それにメロスって、自ら友人を人質に差し出したりと、なかなかの「ゲス」だしね。2016年1月の時節柄的にも合ってるかな、って。

Paintfont.comでテンプレートを設定

まず、サイトを開いて、Welcomeに書かれた内容を読みます。フムフムわからん。

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作成したフォントに関しては「All rights belong to you, the font creator.(すべての権利は作成者であるあなたにあります)」とありますね。ありがたやー。

Paintfontでは、まずはじめにテンプレートを作成し、そこに文字を書いてアップロードすることでフォントができる、という流れになります。

サイト内にある「Create and download templates.」という文字をクリックすると、テンプレート作成のための詳細画面が表示されます。

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中段にある「Selected characters」の枠内に入っている文字が、自分がこれから作成する文字です。デフォルトで英字と幾つかの記号が入っています。

もし、ひらがなやカタカナを追加したい場合は、

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こちらの項目で「Japanese」をクリックすれば、ひらがな、カタカナ、幾つかの漢字(127文字)、そしてなぜか顔文字でよく使われてそうな記号が一括で追加できます。

今回の私のように、作成する文字をカスタムで追加したいときはこちら。

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この枠に、作りたい文字をコピペして、「Add characters」をクリックすればごそっと追加してくれます。文章などでも、そのままでOK。

ちなみに、作りたい文字以外に、フォント名に使う文字も作成しておく方がよいと思います。フォント名に使われる文字をフォントファイルに入れておかないと、「フォント名をそいつ自身のフォントで表示するようなフォント一覧」を使うソフトの場合、フォント名が空白で表示されてしまってとてもわかりづらくなることがあるからです。

ではでは、青空文庫より『走れメロス』の文章を拝借して、Paintfont.comの、さきほどの「Enter additional characters」のテキストボックスに貼り付けます。

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「Add characters」のボタンを押してからSelected charactersに反映されるまで、10秒ちょっと?かかるのですが、しばらく待つと、文章中に使われている文字が重複なくテンプレート用の文字として表示されます。

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以上でテンプレート作成のための準備は完了です。

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「Output format(アウトプット形式)」でPDFを選び、「Create template(s)(テンプレートを作成)」ボタンを押します。
(私の環境ではPNGファイルだと漢字の部分が上手くテンプレートとして生成されなかったので、今回PDFを選びました)

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このような、右上にQRコードの付いたテンプレートが出来ました。

テンプレートを印刷

さて、上記で出来たテンプレートを印刷します。

今回私は実際の手書きで作成しますが、PC上で編集したい場合はIllustratorやPhotoshopなどで開いて、上に文字を乗せていくと良いかと思います。

(ただ私の環境(Illustrator CS6 Win)では、PDFファイルを直接開くと下地のグレーの文字が化けしてしまってダメでした。新規作成でA4のアートボードを作成しておいて、「配置」で置けば文字化けすることなく表示出来ました。)

なお、ペンは今回こちらを使用しました。uni-ball Air の0.5mmの太さのものです。

Amazon.co.jp

2015年11月に発売された、わりと新しめの商品です。ボールペンっぽい書き味ですが、描かれる線が強弱のついた万年筆のような味のある筆跡になって、くせはあるもののなかなか面白いペンです。線が思っているより太めに出るのと、紙によってはインクが滲みやすいのが難点ですが、こういう手書きのフォントを作るのにはうってつけの筆記具かなと思います。

ちなみに…これは作成後に失敗して気づいたことですが、文字を書く際の注意点です。

PCにインストールされているフォントにも依存するかもしれませんが、「英字・かな」と「漢字」では、見本フォントのベースラインがずれて表示されている可能性があります。私のはずれてました。

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そのままグレーの文字に合わせて書くと漢字がずり下がったように、かなが上ずれしたようなフォントになってしまうので、高さを揃えて書くようにしましょう。英字とのバランスも考えれば、漢字を上にあげて書くのが良さそうです。

そして、記入する枠は広いですが、取り込まれるのはおおよそ水色の点線で示した範囲のようです。余り大きく書くと文字が切れてしまうので、これも注意です。

採用される枠

ひたすら書きます

今回はとにかく速い速度で、字の綺麗さにはこだわらずに書いてみました。黒板の板書を必死にノートに写すような感じ。早く書かないと先生に消されちゃうぞー!みたいな。

漢字記入

1枚書くのに、2分半~3分半かかりました。今回16枚ありましたので、すべて書き終わるのにおよそ50分ほど。腕が痛い。

漢字記入2

スキャンして、アップロードします

作成した原稿を、スキャナーで読み込んで画像ファイル(PNGまたはJPEG)にしたら、いよいよPaintfont.comにアップロードです。

「Upload your completed templates.」をクリックして設定画面を開きます。

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「Select template(s)」のところにあるファイル選択ボタンを押し、スキャンした画像ファイルを1つずつ登録します。

画像は5枚までしかアップロード出来ないので、6枚目以降は、5枚めまでで作ったフォントファイルに新しい文字を追加する形で後ほどアップロードします。その設定は「Show advanced options」内にあります。

「Font name」は自分で決めたフォント名を入力します。半角英数字にしておくのが無難かな。

「Font file format」は、今回は日本語中心なのでどっちでもいい気もしますが、まあとりあえずOTFで。別にTTFでもいいと思います。

ついでに「Show advanced options」のリンクも開いてみましょう。

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リンクを開くと、下に「Advanced option」が追加で表示されます。

「Basis font file」は、今回作成する文字を元からある他のフォントファイルに上書きするときに使います。今回のように6枚以上スキャン画像がある場合は、5枚めまでで一旦フォントファイルを作っておき、そこで出来たフォントファイルをココで選択し、6枚目以降の文字を追加して…と、それを繰り返して作成していきます。

「Font family Name」はフォントファミリーを設定するための項目です。ウェイトのちがう文字をたくさん作るときは有用ですが、今回の場合は空欄でOKです。

「Copyright notice」には著作権者の名前を入力することが出来ます。空欄でもOKですし、自分のハンドルネーム等を入れてもOKです。

さていよいよ、一通りの設定が終わったら、「Start upload」をクリックします。

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自動的にページが遷移し、しばらく待つと上記の様な画面が現れます。こんな感じの画面になれば成功です。

「Download ○○.otf」のボタンを押すことで、フォントファイルがダウンロード出来ます。忘れずにダウンロードしましょう。

ちなみに、作成したスキャン画像が5枚以上の場合は、ここで出来たフォントファイルに追加する形で、もう一度を画像をアップロードし、同じ作業を繰り返すことになります。完成したフォントファイルをダウンロードし、「Back to start」のボタンで最初の画面に戻り、「Show advanced options」の中の「Basis font file」でダウンロードしたファイルを選択して、フォントを生成します。そこで出来たフォントファイルをダウンロードし…これを繰り返して文字をどんどん追加していきます。

ちなみに、書き間違えた字などがある場合は、誤字のみのテンプレートを再作成し、追加文字のアップロードと同様の作業をすれば、後でアップロードした文字が上書き保存されるらしいです。

動作確認(成功例)

まずIllustratorで確認。

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わーーー!!!(・∀・)

表示されてる!

…表示されてるけど!!

なんでしょうねこの感じ。完全にコレ私の字です。急いで適当に書いた時の字です。スゴイ。

ただ、うまく伝わらないと思うんですが……ちょっと怖いです。この文章、書いた覚えが全く無いのに何故か自分の字。なんかリアル。うう怖い。

このフォントで遺書とか捏造されちゃったら困るな…(・∀・)

動作確認(失敗例)

ちなみに、残念なお知らせも…。

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私の環境では、WordやExcel、ワードパッドでは非常に残念ながら、日本語に対してはフォントが適用できませんでした!(欧文ならOK)

あああああ、これは超残念。

Paintfontで作成したフォントは、どうも日本語が入っていても欧文フォント扱いされてしまっているような気もするので、その辺が怪しいかも?ですが、詳細不明です。CID-keyedとか、その辺の絡みかな? なんとかしたいけど、根本的に解決するには沼が深そう…。

OTEdit/TTEditやGlyphsなどのフォントエディタソフトを持っているなら、一旦そちらにインポートして和文フォントとして再作成しなおすのがよいかも…ですね。

まとめ

まとめ

Paintfont.comを使うことで、かなりお手軽にフォントを作ることが出来ました。文字のアキ具合の調整やグリフの微調整などは出来ませんが、さくっとフォントを作る分には十分楽しいフォントが出来上がります。

ただし、収録文字に日本語を含めた場合、日本語部分はおそらくAdobe製ソフトなら表示可能ですが、その他のソフト(Office系)などではうまく動作しない場合があります。ご注意ください。

(もしこちらの対処方法がわかる方がいらっしゃいましたら、ご教授いただけると嬉しいです。)

書いた覚えのない文章が自分のクセ字で書かれている画面は、なかなかキモいです。怖いです。ですが、すごく面白いです。

走り書きの手書き文字なら1000文字で1~2時間あれば完成させられると思いますので、ぜひ挑戦してみてください!(・∀・)

参考にしたサイト:Paintfont.com

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