野村周平
約3400人の選手団が参加した24日夜の東京パラリンピック開会式。7月23日の東京オリンピック(五輪)開会式と比べて統一感が伝わってきたのは、演出の考え方の違いによるものが大きいだろう。
中村英正・運営統括は「五輪もパラリンピックもテーマは多様性。五輪は色々なものを出してそれを表現しようとしたが、パラは一つの背骨を作って式典を進めた」と解説する。
五輪の開会式では、コロナ禍に苦しんだアスリートの孤独、江戸時代から伝わる町火消しの労働歌、ゲーム音楽による入場行進、「イマジン」の歌唱、ピクトグラムのパントマイムなどなど、様々な要素が盛り込まれた。
一方、パラリンピックでは「WE HAVE WINGS(私たちには翼がある)」をテーマに、会場を「パラ・エアポート(空港)」に見立てた演出を貫いた。よしあしはともかく、五輪よりも全体の一貫性、わかりやすさがあった。
五輪では演出メンバーの相次ぐ辞任や解任など、直前まで混乱が続いた。一方、パラは落ち着いて準備できた利点があった。式典関係者は「五輪の裏でしっかり地道に用意することができた。外野からの注文も少なかった」と言う。
出演したキャストの人数は五輪の約半分となる約700人。そのうちの約1割の75人が公募で参加し、主人公の「片翼の小さな飛行機」を演じた中学2年生の和合由依さんも演技経験がない中でオーディションで選ばれた。統一感のなかで、多様性も確保していた。(野村周平)
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