ヴェトナムで史上最高気温を記録 44.1度

farmer in Can Tho

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ヴェトナム北部で6日、同国の最高気温が更新された。タインホア省ではこの日、44.1度を記録。地元当局は住民に、屋内にとどまるよう警告した。

専門家は、気候変動の影響で、この記録もすぐに塗り替えられるとみている。

ヴェトナムのこれまでの最高気温は、中部ハティンで4年前に記録された43.4度だった。

周辺国も猛暑に見舞われている。

タイ西部マクでは44.6度と、同国史上最高と並ぶ温度を記録。ミャンマーでは地元メディアが、東部の町でここ10年で最高となる43.8度に達したと報じた。

両国ともモンスーン前の暑い時期だが、これまでの記録を超える暑さとなっている。

今後も繰り返されると専門家

ヴェトナムの気候変動専門家グエン・ゴク・フイ氏はAFP通信の取材に対し、同国で最高気温が更新されたことは、「気候変動と地球温暖化の流れ」を考えると「懸念材料だ」と述べた。

「この記録は繰り返されると思う。異常気象のモデルが真実だと証明している」

ヴェトナム中部ダナンで農業を営むジュエン・チ・ランさんは、暑さのせいで仕事をかなり早く開始し、午前10時には終わらせなくてはいけないとAFPに語った。

このほか、バングラデシュの首都ダッカでも1960年代以来となる最高気温の更新があった。インド当局も、一部地域で気温が通常より3~4度高くなっていると発表した。

地球の気温はすでに工業化以前(1850~1900年)と比べて1.1度上昇しており、各国政府が排出削減策を施さないかぎり、今後も上がり続けると予想されている。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は3月に公表した第6次報告書の中で、世界の気温上昇を工業の本格化以前(1850~1900年)と比べて1.5度未満に抑えるという重要な目標が達成できない可能性があるとの見方を示した。2030年には、1.5度を超えるとみている。

IPCCは報告書で、「地球温暖化が進むごとに、複数の同時多発的な災害が激化するだろう」と述べた。