アプリ統合で反転攻勢 「楽天ペイ」の“現在地“は? ポイント経済圏の行方「ポイント経済圏」定点観測(1/5 ページ)

» 2024年04月23日 13時39分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 楽天ポイントという最強のポイントを持つにもかかわらず、リアル店舗での決済ではいまひとつ出遅れ感もあった楽天ペイ。しかし、今回グループが持つ決済手段をすべて集約し、さらにフィンテックサービス全体も統合するスーパーアプリ化を宣言することで、攻勢に出ようとしている。

 「圧倒的なオープン戦略が功を奏してきた。次のステージに入っていきたい」。4月18日に開いた会見で、楽天ペイメントの小林重信社長はこう話した。楽天ペイは現在どんな状況にあり、何を目指そうとしているのだろうか?

楽天ペイがアプリ統合、スーパーアプリへ

 次のステージに向けて楽天ペイが採った戦略は、楽天グループ各社が持つサービスの統合だ。その先には、楽天証券や楽天銀行など、決済以外の金融サービスとの融合も行う。これまでサービスごとにアプリを提供していたが、その戦略を転換し、PayPayのようなスーパーアプリを目指すということだ。

楽天グループ各社が持つサービスを統合

 それぞれを詳しく見ていこう。まず12月ごろをめどに、楽天ペイ、楽天ポイントカードのアプリを統合する。楽天ペイアプリには、現在も楽天ポイント機能が搭載されているが、楽天ポイントアプリを廃して楽天ペイに1本化するという意味だ。そして2025年には、電子マネー「楽天Edy」のアプリも楽天ペイに統合する。

 さらに統合第2弾として、楽天カードアプリの主要機能も、楽天ペイに搭載していく。分割払い、リボ払い、キャッシング、キャンペーン、利用明細などが楽天ペイから操作閲覧が可能になる。これによって、楽天の決済サービスはすべて1つにまとまることになる。

楽天ペイはスーパーアプリを目指している

 決済系の統合が完了後、将来的には楽天証券、楽天銀行などといったグループが持つフィンテックサービスとの連携も進めていく。

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