既存の人気サービスに、デザインも機能もよく似ているサービスが最近、次々に登場している。似せた側は「既存サービスと同じデザインの方が使いやすい」と主張。模倣された側は法的手段に訴えることもなく、事実上黙認する場合がほとんど。背景には、ネットサービスで模倣は“お互い様”という暗黙の了解もありそうだ。
「ちょっと似すぎでは」――ライブドアが2月8日に公開したQ&Aサービス「livedoor knowledge」が、一部ネットユーザーの驚きと反発を買った。デザインが米Yahoo!のQ&Aサービス「Yahoo! Answers」にそっくりだったためだ。
livedoor knowledgeのデザインについてライブドアは「先行他社の似たサービスを研究し、ユーザーの視点から見て『良い』と思った部分は踏襲した」と、他社サービスを真似たことを認めている。
同社はSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)や写真共有サービスでも、他社のデザインを“踏襲”している。SNS「livedoor フレパ」は国内最大のSNS「mixi」に、写真共有の「livedoor PICS」は米Yahoo!の画像共有サービス「Flickr」にそっくりだ。
後発でも使いやすいものにするためには、似せて作るのが最も手っ取り早い――そんな事情があるようだ。
例えばフレパは当初、mixiとは全く異なるデザインだった(関連記事参照)が、昨年11月のリニューアルでmixiそっくりに変わった。開発に携わったあるスタッフは「SNSはmixiがスタンダードになっているから、デザインやユーザーインタフェース(UI)もmixiと似ていた方が使いやすいし、ユーザーもそれを望んでいる」と話す。
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