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「Google消失」はBig Daddyのせい?(1/2 ページ)

» 2006年05月11日 18時01分 公開
[Ben Charny,eWEEK]
eWEEK

 Webサイトの運営者らは、現在Googleで起こっている混乱の原因を突き止めようとやかましく騒ぎ立てている。

 かつてWebマスターの視点からすればクリーンで無駄のないインデックスマシンだったGoogleの検索エンジンが最近、いつのまにやら、ひどい状態に陥っている。

 どういうわけか自分のWebサイトが突然Googleのインデックスから消えたとの報告が、約2カ月ほど前から急増している。Googleのインデックスから消えるということは、つまり、インターネットから消えたも同然ということだ。

 もう1つ指摘されているのは、Webリンクがなぜか検索結果のトップページから43ページ目ぐらいにまで落ちてしまっているという現象だ。Googleの異変については、ほかにもさまざまな苦情が寄せられている。

 何かが起きているのは確かだ。だがGoogleはその説明をまだしておらず、5月10日に開催の年次Google Press Dayでも説明する様子はない。Googleは通常、このイベントで大きな発表を幾つか行っている。今年は、近い将来に提供予定の幾つかの製品デモが披露されるもよう(訳注:米国時間の5月10日、GoogleはGoogle Desktop 4、Google Note、Google Co-opを発表した)。

 だがGoogleの数々の新しい取り組みの背景には、検索市場における同社の支配的な立場がある。同社では今、一体何が起きているのだろう? 多くの人々は、原因はBig Daddyにあると指摘している

 Googleの共同創業者ラリー・ペイジ氏は5月10日、この問題について、同社自身も驚いており、現在、状況を調査中だと語っている。同氏はGoogle Press Dayイベントに集まった記者らに対し、「われわれは調査チームを設置し、調査に当たらせている」と語っている。

 Big Daddyとは、Googleが検索エンジンのコアなタスク(Webサイトのカタログ化やローカライズ機能の提供など)を実行するために使っている新しいデータセンターのことだ。Googleは世界で何千ものデータセンターを運営している。

 Big Daddyプロジェクトが目立っているのは、検索エンジンがコンピューティング/ネットワーキングハードウェアをアップグレードするのはまれなことだからだ。それよりも各社は、より多くのユーザーをサイトに引きつけ、ひいては検索エンジンの収益拡大につなげようと、新機能に重点を置いている。

 アップグレードにより、GoogleはライバルのYahoo!やMicrosoftに対して競争力を高められるはずだ。Yahoo!はインターネットポータルとして世界トップで、検索ではGoogleに次ぐ第2位、Microsoftのオンライン部門であるMSNは世界第3位の検索エンジンを運営している。

 Googleの最終的な目標は、2006年にインターネット広告に費やされると予想されている138億ドルのうち、より多くの分け前を手に入れ、そしてその先もさらにシェアを拡大していくことだ。

 検索エンジン各社は機能に手を加えたり、新興企業を買収してその知的財産を獲得したりといったことを頻繁に行っている。それらはすべて、より広範なユーザー層を自社サイトに引きつけるための新たな方法を見つけるための行動だ。ユーザー層が広がれば、それだけ広告収入も増えるからだ。

 だがBig Daddyをめぐる各種の混乱が示しているように、企業が競争力を高める際には成長の痛みが付き物だ。

 JohnWというハンドル名の人物はSearchenginewatchフォーラムで次のように書いている。「Googleは何かを修正するために新しい技術を導入したが、そのプロセスで、何かほかの要素が壊れてしまったようだ。壊れたという以外に言えることはない。今はそういう状態だが、いずれは解決するだろう」

 理論的には、Big Daddyのせいで、Googleは80億ページ以上のWebページを保守しているデータベースを完全に消去しなければならない。そしてBig Daddyを追加した上で、改めてインデックスの作成をスタートさせることになる。

 例えば、数日前や数週間前になぜ多数のサイトが一度にGoogleから消えたのかも、これで説明できる。これはBig Daddyがマニュアル車のようにノッキングを起こしたのだ、と同フォーラムに投稿した何人かの人物も指摘している。

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