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小惑星に宇宙船をぶつけて軌道をずらす実験 NASAが9月に実施 彗星などから地球を守る手段を検証

» 2022年08月24日 16時36分 公開
[松浦立樹ITmedia]

 米航空宇宙局(NASA)は8月24日(現地時間)、小惑星に宇宙船をぶつけて軌道をずらす実験を行うと発表した。ミッション名は「Double Asteroid Redirection Test」(DART)とし、地球へ衝突の恐れがない小惑星「Dimorphos」(直径160m)を対象に行う。衝突予定時間は9月26日午後7時14分(現地時間)。

小惑星にぶつかる前の宇宙船などのイラスト(NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben)

 実験では、無人の宇宙船が自律的に目的の小惑星に近づき、秒速6.6kmでDimorphosに衝突する。衝突時の地球との距離は約1100万kmの予定。衝突により小惑星の速度や軌道の変化を測定することを目的としており、シミュレーションでは速度が約1%変化すると推測している。これは小惑星の公転周期を数分変える影響を与えるという。

 DARTは、小惑星や彗星の危険から地球を守る技術の検証ために発足したミッション。実験結果とシミュレーション結果を比較することで有効性を評価する。衝突させる宇宙船は2021年11月24日に、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ空軍基地からSpaceX Falcon 9 ロケットで打ち上げられている。

SpaceX Falcon 9 ロケットの打ち上げの様子(NASA/Bill Ingalls)

 Dimorphosと宇宙船が衝突する様子はNASAのSNSやYouTubeチャンネルでライブ配信する予定。

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