【概要】
今日進展しつつあるオープンサイエンスは,オープンアクセス,オープンリサーチデータの取り組みを通じて,サイエンスの営みに多様な主体が参画することを可能とする。その際,どのような論文,データ等の研究成果があり,誰がそれを成しているのか,研究成果と人の情報が効率的,効果的に収集され,多様な担い手候補に情報が展開されることが重要となる。研究者情報サービスは,それ単体,あるいは他のサービスとの連携を通じて,まさにこの役割を担い,オープンサイエンスを支える情報基盤となりうるものである。
また,各大学・研究機関は,組織運営から組織経営への転換を長らく迫られている。研究者情報基盤を充実させることは,研究者のアクティビティをより正確に捉えることにもつながるため,マネジメントの観点からも重要性が増している。
本セミナーでは,特に研究者総覧・研究者データベースや機関リポジトリ等,大学・研究機関において組織的に整備されるサービスを中心に取り上げる。同時に,国レベルで整備されるresearchmapや,民間セクター,非営利セクターにおいて整備される研究者情報サービスについても視野に入れつつ,その現状を共有するとともに,「令和時代のオープンサイエンス」における研究者情報サービスの課題と展望を議論する。 |