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高騰するコメ、これが実態 福岡市の建設会社では倉庫に山積み「焦って安く売る必要ない」

 「今収穫しているお米、売ってくれませんか」

 福岡県筑豊地域の田んぼで稲刈りをしていた60代の農家男性が、通りかかった男性から突然声をかけられたのは昨年10月だった。

 作業を止めて話を聞くと、県内の食品会社の社員を名乗り「弁当用のお米が足らず困っている」と買い取り価格を示した。出荷しているJAから支払われる前払い金より、60キロ当たり7千円ほど高い。約800キロを売ることにした。2週間後、引き取りに来た男性は「追加で買える分があれば、いつでも連絡してほしい」と言い残して去った。

 佐賀県白石町でコメを作る50代男性のもとには、名古屋市の卸売業者など4社が訪ねてきた。JAの金額より数千円高い、60キロ2万円超で契約が成立。約3トンを売った。その後、長崎市の食品卸売業者は「うちは2万3千円出す」。それ以降はこの業者に売っている。

 昨夏の品薄を機に顕在化したコメの争奪戦。高値もいとわぬ買い付けと、流通量の少なさが、価格を押し上げている。

 2024年に収穫されたコメは前年より18万トン増えたのに、JAなど主要な集荷業者が農家から買い集めた量は前年を21万トン下回った。九州でも7県全てで集荷量が前年を約2~4割下回る。福岡県内のJA関係者は「こんなことは初めて。7割近く減った地域もあると聞く」と頭を抱える。

 集荷の不足分はどこにあるのか。実態は...

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2/15 6:00

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