湖西線の強風 AI予測

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JR西と大阪ガス

 JR西日本と大阪ガスは、強風による運休が多発している湖西線(近江塩津―山科)で、人工知能(AI)を使った強風予測システムを導入した。今月から本格的に運用しており、予測精度が向上することで、計画運休などを実施したが、実際は予想の風速を下回って運行できた「空振り」を約4割削減できる見込みだ。(西村歩)

計画運休の「空振り」減へ

防風柵のある湖西線を走行する特急サンダーバード=JR西日本提供
防風柵のある湖西線を走行する特急サンダーバード=JR西日本提供
強風予測システムを確認するJR西日本の指令員=JR西日本提供
強風予測システムを確認するJR西日本の指令員=JR西日本提供

 湖西線は「比良おろし」と呼ばれる比良山系から吹き下ろす強風の影響を受けやすい。運転規制値以上の強風が見込まれる場合は、新快速は全区間、普通列車は一部区間で計画的に運休。大阪駅と敦賀駅を結ぶ特急サンダーバードは、琵琶湖線を通る 迂回うかい 運転を実施している。

 JR西は、対策として2008年から高さ2メートルの防風柵の整備を進め、近江塩津―和邇駅間に総延長14・3キロにわたって設置。運転規制値を風速25メートル以上から30メートル以上に緩和しているが、23年12月からの1年間では強風を理由に計16日運休。特急サンダーバードは計294本が迂回し、所要時間が約30分延びるため、敦賀駅での北陸新幹線との接続などにも影響が出た。

 今回のシステムは、大阪ガスが発電量の見通しなどのために使っている独自の気象予測技術を活用。約2キロ四方の単位で風速や風向きを予測できるといい、JR西が沿線に設置している風速計の過去3年分の記録を学習させたAIと組み合わせることで、24時間先までの風速と風向きをはじき出す。両社は19年から共同研究を始め、22年には試験的に導入して検証を進めてきた。

 本格導入後の予測対象は、近江塩津―大津京駅周辺に設置した風速計14か所。従来よりも詳細な強風予測が実現することで、普通列車の運転見合わせ区間の短縮も見込め、大阪ガスの担当者は「エネルギー事業での活用を想定していた技術が、鉄道インフラの安定にも貢献できてうれしい」と話し、JR西は「システムを通じて、安全運行と輸送サービスの向上につなげていきたい」としている。

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