素粒子ニュートリノの研究で梶田隆章さんがノーベル物理学賞に決まったのを受け、梶田さんが所長を務める東京大学宇宙線研究所は9日、岐阜県飛驒市の観測施設スーパーカミオカンデを報道陣に公開した。 富山県境に近い神岡鉱山の坑道をバスで5分ほど進んだところに、テニスコートが数面は入るドーム状の部屋がある。送水管やケーブルが張り巡らされた部屋は、施設の心臓部であるタンクの上部に当たる。床下には10階建てビルほどの高さの、5万トンの水を張った巨大な空間が広がる。 外からやってきたニュートリノは、鉱山を突き抜けてタンクに降り注ぎ、水の分子に当たって非常にかすかな「チェレンコフ光」を出す。それを、タンクの壁面にびっしりと並べた1万1千個もの「目」(光電子増倍管)で捉える。他の宇宙線による光に混じって、ニュートリノによる光がとらえられるのは1日平均8回。隣の制御室のモニターに映し出される光電子増倍管からの信号
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