植物に与えると葉の気孔が増えるホルモンを、京都大、石川県立大などのチームが発見した。植物は大気中の二酸化炭素(CO2)を気孔から取り込んで光合成する。気孔が増えればCO2の吸収力が向上して地球温暖化対策に貢献し、光合成が活発になることで農作物の増産にもつながる可能性がある。10日の英科学誌ネイチャー電子版に発表する。 西村いくこ・京大教授らは、シロイヌナズナの葉の表面に気孔が作られる過程にかかわる複数の遺伝子を調べ、気孔の増減をつかさどる遺伝子を特定。この遺伝子が作るホルモンを「ストマジェン」と名付けた。 発芽したばかりのシロイヌナズナを、ストマジェンを含む溶液に3日間漬けると、気孔が数倍に増えた。遺伝子組み換えではない手法で気孔を増やすのに成功したのは世界初という。 ストマジェンの遺伝子は、コケ植物の一部と、より高等な植物にある。ストマジェンは、細胞内の〈指令スイッチ〉に働いて気孔に分化