NO.1 ピンボールは上手いの? *** 以前はね。僕が誇りを持てる唯一の分野だった。 *** 私には何もないわ。 *** 失くさずにすむ。 村上春樹 「1973年のピンボール」 NO.2 もう一度二十歳にしてやるといわれても なんだか面倒臭そうだなあという思いが先に立つ。 ああいうのも それはそれで、その時は楽しかったんだけれど もう一度きりでいいんじゃないかという気がする。 僕はそういう風に過去を振り返りたくない。 過去があって、今の僕がある。 でも今あるのは今の僕であって、過去の僕ではない。 僕は今の僕とうまくやっていくしかない。 村上春樹 「はいほー!」 NO.3 ときどき、泣くことができれば 楽になれるんだろうなと思えるときもあった。 でも何のために泣けばいいのかがわからなかった。 他人のために泣くには 僕はあまりにも身勝手な人間にすぎ