1960年代まで東京都内を縦横に走っていた都電で唯一存続している「都電荒川線」が、乗客の減少で赤字にあえいでいる。 都は利便性を向上させた新型車両を今月18日から導入する方針で、観光客を呼び込む取り組みも進めており、「東京のレガシー(遺産)でもある都電を残したい」と願う沿線住民もPRに協力している。 都電は60年代には約40路線あり、1日に100万人以上が利用していた。しかし自動車の普及などで利用者が減り、現在は荒川線(三ノ輪橋―早稲田、12・2キロ)のみ。その同線も、利用者は70年代の1日9万人から昨年度は1日約4万5500人まで落ち込んだ。 近年は、老朽化が進む車両の更新費用も経営を圧迫。経常収支は2011年度以降、年間2億円前後の赤字が続いている。それでも36車両中、19車両は50年代から現役のままだ。
