1907年6月10日(月) 「強盗紳士アルセーヌ・ルパン」:誰でも読める、あるいは誰もが読むべき本。これは我が読者のすべてにとって大いなる喜びとなるニュースである。見事な変装の名人であるアルセーヌ・ルパンが新しく姿を変えて登場する。つまり一冊の本となってあらゆる書店で発売されるのである。 「ジュセトゥ」の読者にとって馴染み深いアルセーヌ・ルパン、モーリス・ルブランという2つの名前は「大評判」を意味している。謎の人物の熱狂的な冒険の数々は、本誌のみならず、人々に広く賞賛をもって受け入れられている。したがって当ピエール・ラフィット社にとって「強盗紳士アルセーヌ・ルパン」をアンリ・グセによる芸術的なカラー表紙とともに3フラン50の新シリーズとして出版することは幸運なスタートであろう。単行本としての均質な形のもとで、気品ある怪盗の手に汗にぎる快挙の物語はモーリス・ルブランの生き生きとした描写力によ
