国民には1円単位での細かい納税を課しながら、政治家には“特権の抜け道”が用意されている──自民党の派閥裏金問題はそうした構造が国民の怒りに火をつけ、今国会でも元安倍派事務局長の参考人招致問題が紛糾している。そして本誌・週刊ポストは裏金問題よりもさらに根深い、世襲政治家の特権をめぐる新事実を掴んだ。【前後編の前編】 【図解】岸信千世氏が安倍晋三元首相の政治資金を“無税相続” そのカラクリを徹底解剖 出世街道を走るサラブレッド いま国民は実質賃金が上がらないうえ、度重なる増税で家計負担は重くなる一方だ。富裕層も相続税の課税強化や最高税率引き上げで相続のたびに資産を奪われ、どんな資産家でも「3代で財産を失う」と言われる。 だが国民の重税感を尻目に、世襲政治家たちは政治資金の“無税相続”という特権を享受し続けており、2024年12月に野党5党が共同提出した「政治資金世襲禁止法案」はいまだ審議が始ま
