進学や新学期、入社や転勤など、年度始めの節目に感じる周囲との違いや貧富の差。哲学者の谷川嘉浩さんは「親ガチャという言葉が広まっているが、その言葉を使う人の事情を考えれば安易に批判できるものではない。それでも、あまり安易に使いすぎると、子どもの貧困や虐待などの現実的な問題が見えづらくなり、また、みずからそう言う子は親ガチャで外れを引き当てたという意味合いから自己責任論につながり、ますます苦しくなりかねない」という――。 「親ガチャ」という言葉は2021年頃から流行 「親ガチャ」は、自分の親などの「生まれ」からくる不遇は「運」の問題であり、自分の力ではどうにもならないものとの出会いについて語る言葉で、しばしばその出会いの運の悪かったことを示すために使われます。ソーシャルゲームの「ガチャ」というくじ引きシステムが比喩として用いられています。 この言葉自体は2010年代中頃には既にSNSで流通して
