「エネルギー分野でも、独自の発想と技術で、個人に喜んでもらえるような商品作りを追求していく」。福井威夫社長はこう宣言し、太陽電池事業でも「ホンダ流」を貫く考えを表明した。 新工場の年産能力は27.5メガワット(メガは100万)。2006年の世界の太陽電池生産量が約2250メガワットだったことを見ると、ホンダの規模は微々たるもの。しかし、ホンダはこれまでの成功体験で導いた「勝利の方程式」を同事業にも適用していく構えだ。 方程式は2つの要素で成り立つ。1つは他社にない技術を事業のベースに据えること。もう1つは、まず個人を攻め、ブランドを確立することだ。 独自の低コスト技術で差別化 技術の独創性は際立っている。ホンダは材料に業界主流のシリコンを使わず、銅、インジウム、ガリウム、セレンの金属化合物を採用した。電力変換効率は 11%とシリコン系より劣るが、電池の膜厚は2.4マイクロメートル(マイクロ
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