悪人を倒せば世界が平和になるという映画は作らない――宮崎駿監督、映画哲学を語る(前編):“ポニョ”を作りながら考えていたこと(3/4 ページ) 海外の巨匠と比較 ――最近日本ではアニメや漫画が「ソフトパワー」と言われてますが、この言葉をどう受け止めていますか。自分の映画はソフトパワーの一種だと思っていますか? 宮崎 スタジオの中で私たちは、「海では蒸気船はなくなりましたが、ディーゼル機関やタービンを持った船がいっぱい走り回っている。しかし、1隻ぐらいは帆船のままで航海してもいいのではないか」と話しています。(現代の経済観念である)ソフトパワーという言葉にくくられたくないと思っています。 ――麻生首相がアニメ・漫画好きと公言されていますが、これをどうお考えになっていますか? 宮崎 恥ずかしいことだと思います。それはこっそりやればいいことです。 ――ジブリでは手描きなどの技法を採用されています
