【田村剛】痴漢事件で実刑判決を受けた東京都練馬区の男性(70)が冤罪(えんざい)を訴える再審請求審で、東京地裁(細田啓介裁判長)が31日、男性から事情を直接聴くことになった。書面のやりとりが中心の再審請求審で、裁判所がこうした手続きをとるのは異例。弁護団は「救済の道が開かれるかも知れない」と期待する。 男性は30年以上、小学校の教師だったが、1999年ごろから指の痛みでチョークが持てなくなり、2001年に退職した。教育施設の嘱託職員として働いていた05年3月、西武池袋線の満員電車内で当時19歳の女性のスカートに右手を入れ、約4分間にわたって下半身を触ったとして逮捕され、強制わいせつ罪で起訴された。62歳の時だった。 男性は一貫して否認し、「指の痛みで犯行はできなかった」と訴えたが、一審・東京地裁は事件直後に警察が撮った写真から「人さし指が曲げられなくても中指は動かせた」と指摘。男性を取