クレメント・クラーク・ムーアの作とされる1823年の詩「クリスマスのまえのばん(別題:サンタクロースがやってきた)」の1893年版に掲載されたイラスト。(Bridgeman/ACI) クリスマスといえば、サンタクロースとプレゼント。しかし、米国人がサンタクロースに夢中になり、プレゼントを贈って楽しむという伝統が生まれた背景には、想像以上に複雑な事情がある。その理由に迫るため、米国ニューヨーク州トロイで発行された1823年12月23日付けのトロイ・センチネル紙に注目してみよう。 この日に掲載されていたのは、バッファローの毛皮や地元産のハチミツの広告、議会の最新情報などだった。しかし、クリスマス気分に浸りたい読者は、3ページ目の「クリスマスのまえのばん(’Twas the night before Christmas)」という言葉に引きつけられたかもしれない。 これはいくつかの節に分かれた短い
