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BBC Cultureが非英語映画ベスト100というたいへんアバウトなランキングをやるということで、投票させていただきました。正直、わたくしのようなものが投票していいのでしょうか、という感じなんですが、いつまでも長老ばかりじゃアレじゃないの、という某氏の紹介で投票させていただくことになりました。実際の投票も探していただければサイトのどこかにあがってますが、これ、真剣に考えたのはベスト5までで、それ以下の5本は世界的傑作(個人的には100本くらいはすぐに上がる)の中かその日の気分で選んだだけで、それほど決定的なものではありません。個人的にはここにはどうしても『燃えよドラゴン』(1973 ロバート・クローズ)を入れたかったのですが、BBCから「それは英語映画だ」との指摘を受けまして、泣く泣く「じゃあ『ドラゴンへの道』で」ということにしましたが、しかしここに本当に入るべきは『燃えよドラゴン』なの
『霊感刑事の告白』 の著者は元宮城県警の警視正までつとめた叩き上げの名刑事である。だが、彼の数々の成果はすべて霊界からのメッセージによるものだった……!という衝撃の一冊。筆者は宮城県気仙沼署の刑事課長に就任したのは昭和53年、45歳のとき。妻子を仙台市内においての単身赴任で、ついに夢だった刑事課長への昇進をはたした。順風満帆。ところが赴任してから二ヶ月ほどして、ラジオから声が聞こえだす。そのうちにテレビや電話機などから次々に呼びかけられるようになるのである。ついに狂ったか……!? 普通に考えたら新たにおった責任の重さと単身赴任による新生活のストレスから幻聴を聞くようになったのかと考えるところである。筆者も悩み、しまいに自殺まで考えるのだがすんでのところで思いとどまり、これはあの世(霊界)からのメッセージだと考えるようになる。なんせ刑事ですからね、殺人事件があれば犠牲者の声を聞いて犯人を探し
トランプ政権の暴露本『炎と怒り』を読んだ。 まあトランプはトランプだというのはわかってることなので、中身にそんな驚きがあるわけじゃない(トランプ政権にはスピーチライターがいない、というのはさすがにびっくりだが)。著者はちょっとトランプ的世界に浸りすぎてるようで、かなり粗雑に「メディア」とひとくくりにして語っていたりする。ぼくが興味があるのはバノンのほうなんで、その意味ではこの本はぴったり、というのも著者マイケル・ウォルフの主要リーク源がどうやらバノンであるからだ。なので本の中ではバノンはヒーローであり、雄々しくジャーヴァンカと戦ってトランピズムの大義を推し進めようとする。 にもかかわらず、これを読むかぎりバノンはひたすらことが終わった後で冷笑する後出しの警句屋でしかなく、破壊以外のことは何も実現できない壊し屋でしかないのだった。バノンのビジョンにはちょっと興味あったんだけど、結局は黙示的世
2017年度のベスト10を発表する〈映画秘宝〉2018年3月号が発売になりました。例によって今年もベスト10を投票しておりますので、ここでも発表させていただきます。 1『アウトワン ノリ・ミ・タングレ』(1971 ジャック・リヴェット) 2『バーフバリ 伝説誕生』『王の凱旋』(2015-17S・S・ラージャマウリ) 3『T2 トレインスポッティング』(2017 ダニー・ボイル) 4『まんが島』(2017 守屋文雄) 5『エンドレス・ポエトリー』(2016 アレハンドロ・ホドロフスキー) 6『バンコクナイツ』(2016 富田克也) 7『ベイルート、もう二度と』(1976 ジョスリーン・サーブ) 8『予兆 散歩する侵略者』(2017 黒沢清) 9『花筐』(2017 大林宣彦) 10 『レゴ・バットマン・ザ・ムービー』(2017 クリス・マッケイ) コメント、トホホ等は本誌のほうを。本誌のほうで
関根元の埼玉愛犬家殺人事件にまつわる本がまた出てしまった!高田耀山『仁義の報復』は関根に舎弟を透明にされてしまったヤクザの組長が書いた本だったが、今度は三里塚闘争にも参加していた過去を持つ新左翼活動家崩れのルポライターといういかにもゴールデン街あたりに吹き溜まっていそうな作家だ。深笛義也『罠 埼玉愛犬家殺人事件は日本犯罪史上最大級の大量殺人だった!』(サイゾー)である。 埼玉愛犬家殺人事件においては、関根元と風間博子に死刑判決が出て確定、共犯者だった山崎は死体損壊の罪で三年服役した。関根が獄中死したのも記憶に新しい。さて、この事件にはいろいろと問題があるのだが、その最たるものが風間の役割である。風間は死体損壊遺棄は手伝ったものの、殺害には一切関与してないと一貫して主張している。だが、裁判では関根の証言に基づき、風間が殺人の共犯者と認定された。風間は現在も無罪を主張し、再審闘争を続けている。
ぼくがスキップ・ホランズワースの名前を知ったのはBest American Crime Writingsのシリーズを読んでいたときである。〈ニューヨーカー〉や〈エスクァイア〉といった雑誌に並んで、〈テキサス・マンスリー〉という地方雑誌の記事が再録されている。そこでメジャー雑誌にまさるともおとらぬ見事な犯罪ルポを書いていたのが〈テキサス・マンスリー〉のエース記者であるスキップ・ホランズワースだったのだ。簡潔な文体と行き届いた取材、意表を突くプロット。犯罪ノンフィクションのお手本のような名品ばかりである。多くは〈テキサス・マンスリー〉から出ているアンソロジーで読むことができる そのホランズワース、初の長編ノンフィクションがようやく出版された。『ミッドナイト・アサシン』は一八八四年、テキサス州オースチンで発生した「アメリカ初の連続殺人事件」についての本である。疾風のようにあらわれて証拠を何一つ残
映画秘宝2017年3月号が発売になりました。ベスト10が発表になったので、ぼくの投票も転載します(実は年末のイベントでも発表していました)。 1『悦楽交差点』(15 城定秀夫) 2『スティーヴ・ジョブズ』(15 ダニー・ボイル) 3『ふにゃちん哀愁』(16 バクシーシ山下) 4『サファリ』(16 ウルリヒ・ザイドル) 5『ディストラクション・ベイビーズ』(16 真利子哲也) 6『太平洋の地獄 サイパン水着ギャルの戦争』(91 高槻彰、平野勝之) 7『SHARING』(16 篠崎誠) 8『デッドプール』(16 ティム・ミラー) 9『ダゲレオタイプの女』(16 黒沢清) 10『ドロメ 女子篇』(16 内藤瑛亮) コメント、トホホその他は本誌を参照して欲しいですが、やはりふにゃちんの衝撃がなああ。バクシーシ山下はやはりヤバいです。
東京創元社よりJ・G・バラードの全短編を集成した〈J・G・バラード短編全集〉が刊行になります。創元推理文庫から出ていた短編集も、さすがに翻訳が古くなってきたところもあり、あらためて新訳決定版を出そうということになりました。発表順に収録した全五巻での全集ということになります。 装画にはエドゥアルド・パオロッツイを使用しています。バラードと伴走したポップ・アーティストの作品とともに、バラードのキャリアを走り抜けてください。 なお、10/8(土)に京都SFフェスティバルにて「いまこそ、バラード。」と題してトークがあります。お近くの方は是非。
コリン・ウィルスンの『宇宙ヴァンパイアー』が新潮文庫の村上柴田翻訳堂で復刊されて、その解説がアレだという話を聞きこみ、そういう話には目がないのでさっそく買ってきた。巻末に村上春樹×柴田元幸の対談がついているわけだが。 村上 そうだと思う。この小説は、ぼくが割と好きなトビー・フーパー監督で映画化されてるんですよ。 柴田 面白い映画ですか? 村上 これがひどい映画でね(笑)。僕はその昔ホノルルの場末の映画館で見たんだけど、まあ、とんでもない映画で。 柴田 たしかに、「映画では原作の真の精神を生かし切れていない」とわざわざ原書ペーパーバック版の裏表紙に書いてありました(笑)。 村上 作品の雑多性を映画が表しきれなかったんですね。 村上春樹おまえはなにもわかってねえ!てか村上春樹が何もわかってないことはよくわかっていたが、ここまでひどいとは。ちなみにこの前には 柴田 ほかにSFで特に惹かれる作家は
2/24発売のTV bros. 2/27日号で渡辺麻紀さんと恒例アカデミー賞予想対談をやっています。なのでここでその予想を書いておきます。 ▽作品賞 「マネー・ショート 華麗なる大逆転」 「ブリッジ・オブ・スパイ」 「ブルックリン」 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」 「オデッセイ」 ◎「レヴェナント 蘇えりし者」 「ルーム」 「スポットライト 世紀のスクープ」 ▽監督賞 アダム・マッケイ「マネー・ショート 華麗なる大逆転」 ◎ジョージ・ミラー「マッドマックス 怒りのデス・ロード」 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ「レヴェナント 蘇えりし者」 レニー・アブラハムソン「ルーム」 トム・マッカーシー「スポットライト 世紀のスクープ」 ▽主演男優賞 ブライアン・クランストン「Trumbo」 ◎レオナルド・ディカプリオ「レヴェナント 蘇えりし者」 マイケル・ファスベンダー「スティーブ・ジ
『映画秘宝』2016年3月号が発売されましたので、昨年のベスト投票を書いておきます。 1 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015 ジョージ・ミラー) 2 『野火』(2015 塚本晋也) 3 『神々のたそがれ』(2013 アレクセイ・ゲルマン) 4 『ストレイト・アウタ・コンプトン』(2015 F・ゲイリー・グレイ) 5 〈チリの闘いー武器なき民の闘い〉三部作(1975-78 パトリシオ・グスマン) 6 『リメイク、リミックス、リップオフ』(2014 ジェム・カヤ) 7 『岸辺の旅』(2014 黒沢清) 8 『満州の紅い陽』(2015 愛川欽也) 9 『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』(2013 シャウル・シュワルツ) 10『バリバラ 悪夢』(2014 福岡利武) コメント、トホホその他は誌面をどうぞ。毎度恒例、町山との講評対談もあります。
高橋源一郎×SEALDsの『民主主義ってなんだ?』という本を読んだ。国会前に集まっている学生たちの主張が聞ける本で、なかなか興味深いものだった。これ読むと、少なくとも彼らはものすごくものを考えてることがよくわかる。ほとんどの批判者はここまで考えてないよね。もうちょっと応援していきたい、という気にはなる。 だが、ぼくがこの本を読んでいて気になったのは、まったく別な部分である。この中で、高橋源一郎が、古代ギリシアの直接民主制について語っている。アテナイの民会では 「いわゆる憲法はなかったんだけど、基本法みたいなものはあった。だから、提出した議案がその基本法から外れていると認定されたら、裁判にかけられる。民衆裁判所という所に送られて、最高で死刑。つまり、議案を出すとき真剣にやらないと死刑になっちゃう。違憲の法案を提出したら古代ギリシアじゃ死刑(笑)。 (中略) 民会は国会だけれども、いわゆる行政
高野秀行×清水克行の『世界の辺境とハードボイルド室町時代』という本の見本をいただいた。中世日本文化研究者の清水氏と『謎の独立国家ソマリランド』などでおなじみ高野氏の対談本である。honzで内容紹介のページがあるので、ちょっと見てもらうといいかも。 ところでこの中に 高野 室町時代の日本人とソマリ人が似ているというツイートがあって、清水さんの『喧嘩両成敗の誕生』(2006年、講談社選書メチエ)を読んでみたら、本当にすごく似ているんで、びっくりしました。ちょっとかぶりすぎなぐらいですね(笑)。 と書いてあるではないか。つまり高野氏と清水氏を引き合わすきっかけを作ったツィート主がいたわけだ。なかなか慧眼な人がいたもんだなあ……と思うよねみんな。 そこでこのツイートを見るとなんとびっくり! この関係に最初に気づいた人というのはこのオレではないか! すごいぞオレ! いや、まあたまたまこの二人両方の愛
映画秘宝2015年3月号が発売になりました。ぼくの選ぶ2014年ベスト投票を転載しておきます。 1 本宮映劇イベント@十条シネカフェ・ソト 2 『死ぬほどセックスしてみたかった』(94-14 バクシーシ山下) 3 『コングレス』(13 アリ・フォルマン) 4 『リアリティのダンス』(13 アレハンドロ・ホドロフスキー) 5 『野のなななのか』(14 大林宣彦) 6 Nymphomaniac extended director's cut vol1&2 (14 ラース・フォン・トリアー) 7 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(13 マーティン・スコセッシ) 8 『収容病棟』(13 王兵) 9 『パズル』(14 内藤瑛亮) 10『劇場版テレクラキャノンボール2013』(14 カンパニー松尾) 例年にましてわけのわからないランキングになってますが、十条シネカフェの「場末のシネマ・パラダイス」
不世出のSF作家R・A・ラファティは1914年11月7日生まれ。つまり今年が生誕100年になります(ちなみにウィリアム・バロウズも同年生まれ)。それを記念してSFマガジン12月号は「R・A・ラファティ生誕100記念記念特集」となりました。まあと言ってもぼくは何もやってませんで、牧眞司さんに一声かけたらあっという間にこの充実しまくりの特集の目次が送られてきたのでした。すごいねどうも。というわけでぼくは短編St.Poleander's Eveを翻訳。あとエッセイを一本書いただけですが、日本ラファティ研究の精華がまとまったすばらしい特集になったかと思います。この特集を楽しんでいただけましたなら、次の百年もラファティ、ラファティをよろしくおねがいいたします。
[メルマガ] ガース柳下氏の有料メルマガ (Hagex-day.info) Jリーグ 第6節 FC東京戦 (鹿島アントラーズ原理主義) ■サッカー映画の祭典「ヨコハマ・フットボール映画祭2011」開催! (Viva La Vida! <ライターCheese の映画やもろもろ>) 「エリックを探して」 (RAY's Favorites) 【誰かが私にキスをした】、ただ一つ特筆すべきは・・・。 (この世界の憂鬱と気紛れ) 「空気人形」@関東/中部/北海道 (映画コンサルタント日記) 映画『空気人形』(お薦め度★★) (erabu) 遠藤賢司 「第二回純音楽祭り」@Club Quatro (音楽) 「しんぼる」 第5位 (映画コンサルタント日記) [cinema]映画芸術フェア@ジュンク堂新宿店 (たまとわ (We don’t need no education))
小学館集英社プロダクションより、アラン・ムーア/J・H・ウィリアムズIIIの魔術的コミック『プロメテア』第一巻が発売になりました。ムーア渾身の魔法コミックで、アイズナー賞/ハーヴェイ賞も受賞した万人の認める傑作です。いやーまさかこれを出そうという版元があるとは思わなかった。最初に「これやりませんか?」と言われたときには、思わず「え、本気ですか!?」と聞き返してしまった。「小プロだったら『トム・ストロング』とかのほうがいいんじゃないですか?」もちろんぼくはいちばんやりたかったのは『プロメテア』だったので、願ったり叶ったりだったわけですが。思えば『フロム・ヘル』のときもこんな感じだった。願えば天に通じる。いや蛇神グライコンさまに通じたのかもしれない。 昨今の若者で魔術やってる奴はだいたい『プロメテア』から入った、と言われるような本作。よく「魔術的叙述」とか言いますけど、これは文字通りの「魔法コ
映画監督・鈴木則文氏がお亡くなりになりました。謹んでお悔やみ申し上げます。思えばぼくが最初に鈴木則文監督にお会いしたのは2004年のことでした。映画秘宝でロングインタビューをさせていただく機会があり、お時間をいただいたのです。その後、金沢で〈エンタテイメントの極意〉として特集上映があるときにご一緒させていただきました。何度かインタビューをさせていただいたり、酒席でご一緒させていただいたりのご縁でした。 監督ご自身のご意向もあり、残念ながらまとまったインタビューにはならなかったのですが(監督はいつも、「映画は花火なんだから、ぱっと打ち上がって終わるもんだよ」とおっしゃってました。含羞の人でしたから、「作家」として持ち上げられるのがこそばゆかったのでしょう)、折に触れて聞いた話がだいぶたまっていますので、これはいずれなんとかしなければならないと思っています。何よりも、明朗で優しく冗談好きで、誰
なんとアラン・ムーア&マルコム・マクラーレン作!というFashion Beastだが、これはなかなかに奇妙な経緯をたどって世に出ることになった。もともとはムーアがマクラーレンに誘われて映画企画に参加、二人の原案でムーアが脚本を書いた。当然のことながらこの企画は頓挫し、脚本もどこかへ消えてしまった。ところが最近になってその脚本が浮上。ムーア自身はほとんど興味をなくしていたのだが、コミックへの脚色は拒まなかった(たぶん税金問題とかそのへん)…というわけでムーアの脚本がアントニー・ジョンソン&ファカンド・ペルシオによるコミカライズとして帰ってきたわけである。本当はムーアの脚本を読みたかったんだけど、これでもまあ、だいぶ感じはつかめる。 舞台はひきこもりの天才ファッション・デザイナー、セレスティーヌが君臨する「館」。誰も姿を見たことのないセレスティーヌは暴君として君臨し、その意志を伝えるのは双子の
フィリップ・シーモア・ホフマンが死んでしまった……なんでこんなことが起こるのだろう? フィリップ・シーモア・ホフマンが。ODで。ショックだった。あまりにも。フィリップ・シーモア・ホフマンは素晴らしい俳優だった。オスカーだって取った。でも、だから悲しいということじゃない。いやそりゃあ優れた俳優が死んだら悲しいけど、そんなことでこんなにショックは受けない。フィリップ・シーモア・ホフマンはぼくの友だった。いつだって、そこにいてくれる人だった。フィリップ・シーモア・ホフマンだけはぼくを裏切らない、とずっと思っていて、そして実際一度たりとも裏切られることはなかった。 ぼくの大嫌いなキャメロン・クロウ監督作品『あの頃ペニーレインと』のフィリップ・シーモア・ホフマンは、彼が演じたさまざまな役の中でぼくがいちばん好きだった役である。そのことについて昔〈ぴあ〉に書いた原稿がある。『シー・ユー・ネクスト・サタ
〈映画秘宝〉2014年3月号(ベスト10号)が発売になりましたので、ベスト投票を転載させてもらいます。 1『アクト・オブ・キリング』(2012 ジョシュア・オッペンハイマー他) 2『スプリング・ブレイカーズ』(2013 ハーモニー・コリン) 3『ビル・カニンガム&ニューヨーク』(2010 リチャード・プレス) 4『カルロス』(2010 オリヴィエ・アサイヤス) 5『フラッシュバックメモリーズ3D』(2013 松江哲明) 6『ホーリー・モーターズ』(2012 レオス・カラックス) 7『カルト』(2012 白石晃士) 8『キラー・ジョー』(2011 ウィリアム・フリードキン) 9『共喰い』(2013 青山真治) 10『風立ちぬ』(2013 宮崎駿) コメント、ベスト男女優その他は本誌をどうぞ。『アクト・オブ・キリング』は本年4月公開予定です。
アラン・ムーアがかつてマルコム・マクラーレンと共作で映画の脚本を書いたというのはファンには有名な話なのだが、その脚本Fashion Beastがコミック化されていた。ムーアは「原案」で、コミック化の脚色はしていない。なんでも出版社から「脚本を見つけたんだけど、これコミック化してもいい?」と連絡があり、「何もしなくても金になるならいいかな」と思ったムーアが許可したのだという。ムーア先生、映画化のお金はいっさいもらっていないことから金には困ってないイメージがあると思うけど、なかなかそうでもないらしくて、たしかNeonomiconも税金払うために書いたコミックだったはずだし、いろいろたいへん。 で、そのプロモーションのためにThe Guardianでインタビューを受けたムーア先生なのだが、例によって一言(二言三言)余計なことを言って大炎上。何を言ったかというと、ジェフ・ジョンズがグリーン・ランタ
ジョン・ウォーターズのエッセイ集『クラックポット』に「恥ずかしい娯しみ」という章がある。おおっぴらには言えないが実は愛している芸術映画について書いた項目だ。で、ファスビンダーとかイングマル・ベルイマンとかロベール・ブレッソンとか当然の面子に混ざって、一本だけ聞いたことのない映画が入っていた。 「八月の冷たい風」(一九六一、アレグザンダー・シンガー、日本未公開) ぼくの覚えている最初のカルト映画。『八月の冷たい風』は、アメリカ以外ではカルト的な地位にたてまつられていないかもしれない。だが、ぼくの育ったボルチモアでは、それはしょっちゅう上映されていた。名画座で入りの悪い映画が出たりすると、劇場側はそれとばかりに引っぱりだし、再上映するのだ。最近では『ハロルドとモード』が、似たような待遇を受けている。 これを読んだっきり、どんな映画か気にはなっていたんだが、監督もスターも聞いたことないし、そのま
映画秘宝2013年3月号が発売になりましたので、ベスト10投票を転載しておきます。 1 『贖罪』(2012 黒沢清) 2 『メランコリア』(2011 ラース・フォン・トリアー) 3 『ウォーターパワー/アブノーマルスペシャル』(1977 ジェラルド・ダミアーノ) 4 『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』(2008 パオロ・ソレンティーノ) 5 『先生を流産させる会』(2011 内藤瑛亮) 6 『5月の後』(2012 オリヴィエ・アサイヤス) 7 『サラゴサの写本』(1965 ヴォイテク・イェルジー・ハス) 8 『アベンジャーズ』(2012 ジョス・ウェドン) 9 『へんげ』(2011 大畑創) 10 『バーク・アンド・ヘア』(2010 ジョン・ランディス) コメント、ワーストその他は本誌をどうぞ。今年は町山とベスト10&ワースト10の講評もかねた対談をしております。
きりがないな、そうだろ? きりがないよ、本当にきりがない、とファン・デ・ディオスは答えながらリノ・リベラのいるソファに座り込み、煙草に火をつけた。 ロベルト・ボラーニョの『2666』を読んでいる。この長大な傑作小説にはいくつかのモチーフがあるのだが、そのひとつがシウダード・フアレス連続殺人事件である。メキシコ最大の、たぶん世界最大かもしれないこの殺人事件のことは、実は日本ではほとんど知られていないかもしれない。ボラーニョはもちろん、世界の裂け目の向こう側、条理の通用しない世界のありかを示すためにこの殺人事件をモチーフにしたのである。 事件について、昔書いた原稿があるので、ついでに再掲しておく。『2666』を読んだ人も読んでない人も、どうぞ。 シウダード・フアレス連続殺人事件には明確なはじまりもなく終わりもない。それはスプロール化したメキシコのスラムのようにだらだらとどこまでも広がっている。
デルタ・エアラインには羽田深夜発のロサンジェルス便がある。12時半だかに羽田を発つので、寝て起きればアメリカに着いているという。たいへん便利なフライトである。大学の授業を終えたあと、飛び乗るとちょうどいいタイミング。というわけでサンディエゴのコミコンに行くために、そのチケットを取ったのである。 アメリカで会った友人にはさんざんぱら「2012/07/17/needles-found-in-turkey-sandwiches-on-delta-flights/">デルタの機内食に釘が入ってたらしい」「オーヴァーブッキングをくらった友達が居るんだけど、その処理があまりに淡々と慣れていて、逆にヤバイんじゃないかと思った」「三、四時間の遅延は当たり前で騒ぎにもならない」とか滅茶苦茶なことを言われて脅かされていたのである。だが行きはなんの問題もなかったし、別に気にしないで帰りの飛行機に向かった。木曜日
アラン・ムーア/ケヴィン・オニールのLeague of Extraordinary Gentlemenシリーズがついに完結。第三部Centuryは三分冊で、20世紀における「リーグ」たちの冒険をたどる。とはいえ、時代を経るうちにメンバーは一人欠け、二人欠けして、最後まで残ったのはミナ・ハーカーとアラン・クォーターメイン、それにオーランドーの三人のみとなってしまった。前巻1969ではカウンターカルチャー華やかなりしスウィンギング・ロンドンが舞台になったが、時代はついに現代にいたって2009年。 前巻のラスト、ハイド・パークのコンサートで錯乱したミナは精神病院に放り込まれてしまう。彼女を見失い、絶望したアラン・クォーターメインはドラッグに耽溺し、オーランドーは刺激を求めて戦争に出かけてしまう……それから40年が過ぎた。イラク戦争で殺戮機械と化したオーランドーは勲章を手に一人英国に戻ってくる。突
洋泉社より出ておりました伝説の映画漫才町山智浩との共著である『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判』がついに文庫化されることになりました。題して『ベスト・オブ・映画欠席裁判』(文春文庫 3/4発売予定)。既刊三冊からのベスト集成ですので“よりぬきFBBさん”と覚えてください。今読みかえすと「何もかも懐かしい……」って感じですわ。 この刊行を記念して、ひさびさにLoft+1でイベントもおこないます。題して文藝春秋presents 「帰ってきたファビュラス・バーカー・ボーイズ!」 文春文庫より『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判』文庫版が発売。既刊3冊からのベスト集成は500ページを越える圧倒的なボリューム! 博覧強記の二人による「日本最高峰の映画悪口芸」がプラスワンに帰ってきた! 【出演】町山智浩(映画評論家)、柳下毅一郎(特殊翻訳家) 【ゲスト】平山夢明(作家)、三留
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