2020年、マンモスの牙の発掘作業をしていた作業員が、シベリアの永久凍土の中で約3万2000年前のサーベルタイガーの子どものミイラを発見した。(PHOTOGRAPH BY Alexey V. Lopatin) さまざまな復元図や博物館の模型のほか、映画『アイス・エイジ』シリーズにも登場するが、サーベルタイガー(剣歯虎)が実際にどんな姿をしていたのか、古生物学者はおよそ200年ものあいだ疑問に思ってきた。見つかるのは骨の化石と足跡だけで、長い牙を持つこの肉食動物の本当の容姿はずっと謎だった。だが、シベリアの永久凍土で3万2000年前の子どものミイラが見つかり、ついに外見を披露した。論文は11月14日付けの学術誌「Scientific Reports」に掲載された。 「素晴らしい標本に大興奮しています」と、カナダ自然博物館の古生物学者であるアシュリー・レイノルズ氏は喜ぶ。なお氏は、今回の研究に
