現代文の大学入試などで、存命の作家の作品が使われる事がある。当然、入試後に原作者に著作使用の報告がいくのだが、その答えを見て原作者が「ええ?その解釈は違うんだけどなあ」とこぼす事はよくあるらしい。問題作成者としては、入試の前に「この解釈でよろしいですかねえ」と原作者に尋ねる訳にはいかないだろうから、なかなか難しい所である。というか様々な解釈できる作品の方がやはり名作は多いのであって、出題者を責める気にはなれない。あえて言えば、何とでもとれる中で正答をあえて考える受験生がちょっと気の毒に思うくらいである。 なんでこのような事を書いているかと言うと、庵野秀明監督・樋口真嗣特撮監督のシン・ゴジラが滅法面白かったからである。はっきりいって日本映画史に残る大傑作となるだろう。とにかく、映像的にも言語的にも単位時間当たりの情報量が桁違いに多い。かといって、ある程度、情報をカットしても充分に楽しめるよう
