GIMPで画像を切り抜く(その1)
画像の切り抜きはブログやホームページの背景に利用したり、アイコンやボタンにも使えるので、あなたのホームページやブログのオリジナリティをアップさせるのにとても役立ちます。ネットショップを運営されている方にも、自分のデジカメで撮影した商品の写真の見栄えを良くするのに欠かせないテクニックです。
切り抜きの基本は「GIMPで少し高度なトリミング」で紹介したように、矩形や円形に切り取りました。ここでは、被写体の形に添って切り抜く方法を解説します。マウスを細かく動かす必要もあり、苦手な人には少し難易度は高いかもしれません。でも、撮影されたものによってはマウス操作を殆ど必要とせずに切り抜くこともできます。
切り抜きは、雑に切り抜くと品位を極端に落としてしまう場合があります。また、切り抜いた画像を何にどう貼り付けるか、それによって効果を発揮するか否か大きく影響されます。落書き風のコラージュなら雑な切り抜きでOKですが、商品画像のような場合は、売れるものも売れなくなってしまうので注意が必要です。切り抜きは、色の調整やボカシなど他の技法も取り入れながら行う画面構成作業のひとつと考えましょう。
輪郭に沿って一発で切り抜く簡単な例
コスモスの花を切り抜きます。この画像はコスモスの花が一輪と背景がその葉と茎ばかりで全体的に緑色系です。こういった画像はとても楽に切り取ることができます。先ず切り抜き作業をするまえに、何回失敗しても良いように原画をコピーしておきましょう。[ダイアログ]タブをクリックして表示されるメニューで[レイヤー]を選択します。
表示された[レイヤー]ウィンドウで[背景]を右クリックして、メニューから[レイヤーを複製]をクリックします。
レイヤーは複製した方を選択しておいてください。失敗したり、気に入らなかったりしたら、同様の方法でまた複製してやり直すことが出来ます。目のアイコンをクリックすると非表示になるので、いろいろな条件で作成した結果を同一画面上で切り替えて見比べることもできます。切り抜いたときにわかりやすいように、[背景]は非表示にしておいてください。
レツールウィンドウの[あいまい選択]ツール(隣接(色)の領域選択)をクリックして、[しきい値]に適当は数値を設定します。最初は小さめの値が良いでしょう。そしてマウスポインタを葉っぱの緑色の部分でクリックしてください。しきい値の範囲内の領域が選択されます。花びらの輪郭に沿って選択領域が設定されるのが理想なので、これでは値が低すぎるようです。[選択]タブをクリして表示されるメニューから[なし]をクリックして選択領域をクリアしてください。やり直すときはいつも毎回クリアしてください。
ではしきい値を上げて試してみます。いい感じですが、今度は花びらの内側にも選択領域が現れてしまいました。切り抜いたときにこの部分が消えてしまいます。コツはなるべく緑色が鮮やかな場所でクリックすることです。場所を変えると、選択領域の範囲が変わりますので、色々試してください。
※ここでは背景を選択していますが、花、つまり切り抜きたいモノを選択して切り抜く方法もあります。それについては「その2」でご紹介します。
今度は少ししきい値を下げて一回目と二回目の中間くらいにします。いい感じになりました。ただし左下の部分やその他花の周囲にも、ポツポツと選択抜けが生じていますが、花の外側で離れた場所なのでこれで充分です。
とりあえずこれで切り抜いてみます。[編集]タブをクリックして表示されるメニューで[切り取り]を選択するとこのようになります。
必要なのは花だけなので、その部分を[自由選択]ツール(手書きで領域選択)でざっくりと選択してコピーします。このとき花の周囲の、選択漏れで残っている部分さえ避ければいいので、この程度であれば神経質にならずにざっくりとで構いません。選択したら[編集]タブをクリックして表示されるメニューで[コピー]をクリックします。
「The GIMP」ウィンドウの[ファイル]タブをクリックして、メニューの[新規]をクリックしてください。表示された[新規画像を作成]ウィンドウの高度なオプションで[塗りつぶす色]のプルダウンメニューから[透明部分]を選択します。
格子模様の新規作成ウィンドウで、[編集]タブの[貼り付け]をクリックして画像を貼れば出来上がりです。例えば…この画像を少し縮小して、この花を切り抜いた元の画像に貼れば下のようになります。ただ貼り付けただけなので、違和感がありますが、花の角度を回転させたり、形を少し変えるなどすると、違和感を感じさせない咲き乱れるコスモスの花の画像を作画することができます。形を変えるなどのテクニックはまた別のページで…。